6月27日月曜日。有給をとり、一年ぶり二度目となる神田外語大学(幕張キャンパス)にお邪魔してきました。大学で教鞭をとる知人にお声掛け頂き、国際ビジネスキャリア専攻2年生向けの「企業英語I」という授業の1コマにてゲストレクチャーとして講義をする機会を頂きました。
単なる教室における英語を超えて、仕事の中での活きた英語を生徒さんに感じて頂くというのがその授業の主旨です。実際にビジネスの現場ではどのように英語が使われているのかといったことや、道具としての英語をどう駆使しながら仕事を回し、お金につなげていくのかといったことについて、少しでも何か感じてもらえたら目的達成というわけです。
日々そんな現場で孤軍奮闘するいち社会人として1コマ90分、マーケティング・コンサルタントという立場からウェブ事前調査、お話、グループワークなどをさせて頂きました。
計14名の2年生の生徒さんと90分英語での講義でした。私の自己紹介に始まり、現職についての説明、マーケティングの基礎のお話、実際のマーケティング戦略ケース(日経Web版の価格設定策)の解説、最後に行動経済学的プライシングに関する簡単なオンライン調査結果とその考察と、内容は盛りだくさんでした。
しゃべる側となると90分などあっという間ですが、ひたすら聞いている側にとっては興味のある話でない限り、午後の授業はきついものがあるはず…。ということで急遽、日経Web版のケースについては、私による解説というよりも、グループワークで生徒さん自身が考え、発表してもらうという形式にしました。各グループ、日本経済新聞社のマーケティング・マネージャーになってもらい、新サービス「日経Web版」の価格設定とポジショニング戦略を考え、皆の前で発表してもらいました。
言語に縛りは設けず、日・英どちらでも構わないということで、発表してもらいましたが、いくつかのグループは、堂々と新サービスの価格設定とその根拠を英語で説明してくれました!もちろん流暢な英語というわけではなかったですが、少なくともそのグループの考えとその根拠はきちんと理解できたし、聴衆であったクラスメイトにもきちんと伝わっていました。たとえ完璧でなくともものおじすることなく皆の前で、日本語以外の言語でしっかりと自分の意見を述べる。生徒さんのその姿にはとても感心させられました!(加えて、名指し無しでも躊躇することなく自ら手を挙げ英語で質問してくれた生徒さんも何名もいました。感謝!!) 一方、感心すると同時に、自分の大学2年生の頃の姿が思わず脳裏に浮かび、恥ずかしさすら感じてしまいました。(時代を言い訳にしちゃいけないですが、その頃の自分を思い出すと、英語で発表なんてとてもとても…(汗)。とにかく頭の中でS+V+…みたいなことがぐるぐる回り、(そもそも大した文章でもないのに、、)文が整ったと思いようやく口から出てくる頃には、話題が2歩も3歩も先に行っているといったありさま。。)生徒さん達の姿から、今の大学教育における英語の位置付けは、そんな過去の「英語1.0」をとうに超えて、もはや「英語2.0」の段階にきてるんだなと実感しました。
14人の生徒さんの中には、バングラディッシュ系や中国系日本人の生徒さんなどがいて、少人数ながらもとても国際色豊かなクラスでした。そんな国境を越えた仲間と一緒に勉強できる大学生活というのは、クラスメイトにとっても他言語でのコミュニケーションが当たり前という意識が自然に身に着くとても良い環境であることは間違いありません。教育の最前線に行ってみて改めて、教育環境も社会変化の波に柔軟に対応しているのだなー(考えてみると当たり前のあるべき姿かもしれないのですが、)と妙に納得。
このゲストレクチャー、お手伝いさせてもらって2年目になるのですが、一方通行でなく、なるべく双方向的な時間にしたいという狙いもあり欲張ってグループワークも含めた為、(というかそもそも、英語の90分で内容自体詰め込みすぎという話も。。)最後のひとつのお題を説明しきれず、タイムオーバー。余裕を持ってQ&Aまで時間内に納めたかったのですが、欲張りすぎました(反省)。。少なすぎて時間が余るのではという位のボリュームにまで事前準備の段階で、絞り込むべきでした。(私の場合、要点を絞り、惜しげもなくカットする思い切りがどうやら必要なようです。。)引き続き今後の反省点となりました。
授業、生徒さんとの夕食会も終え、陽も傾いた頃キャンパスを後にしました。ようやく知人の先生と二人こじんまりとビールで打ち上げです。実は、その先生と私は歳こそ違えども、机を並べ共に学んだクラスメイトでもあります。私達も当時学生の立場から、様々な社会人の方から講義を受ける機会があったり、企業訪問をして経営幹部の方にお話を伺ったり、教科書を超えた活きたビジネスを学ばせてもらった経験があります。それは間違いなく、私達にとって貴重な経験となっただけでなく、教科書での学びを大きく増幅させてくれたのは疑う余地もありません。
飲みの席での話。その先生が、「現実、「外国語大学において商売とは、なんぞや。」という保守層も依然存在するんだよ。」と言っていた言葉が印象的でした。そんな意見もある中、先生をはじめとする一部(革新派!?)の動きとして、大学をもっとオープンに、生徒さんにもっと活きた英語(食べる手段としての英語)をという流れも出てきているのは、自分の経験からも非常にいいことだと思います。応援!
これからの社会を担う若手の方と90分の時間を共にしたことで、いろいろ刺激を受けました。日本の国際化、少子高齢化、政治や財政の停滞・鈍化など、将来の不安要素を挙げたらきりがないですが、一個人、微力でもできる事ってきっとあるんだろうなと思ったり。今後も機会があれば、自分が伝えられることは限られますが、積極的に協力できればと思います。生徒さんが世界と伍して戦えるグローバルな社会人になる一助として、少しでも何かできればという気持ちで、また来年もお手伝いできたら嬉しいです。
その分ネタも仕込んどかなきゃ。
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