March 24, 2010

【個人輸入奮闘記】2.石橋を叩いて発注

新たに見つけたデュッセルドルフの家具屋には一度も自ら足を運ぶことなく(もちろん担当者がどんな人かもわからぬまま)商品仕様を伝え、その数日後メールが届いた。見積もりといっても費用明細がきちんと纏まった書面といったものではなく、いくつかの数字がメールの文面にベタ打ちされた程度のものだった。記載されていたのは、商品代金、船便の輸送代など最低限の情報のみ。出てきた見積もりの額は予想通り、日本の大塚家具で調べた見積もりから半額近い値段であった!取引の額が額なのでその差は大きかったが、日本価格との安さだけで跳びついてはいけないと自分に言い聞かせ、ありとあらゆる考え得る質問を担当者になげた。
(以下質問と回答)

- 製造と輸送にかかる日数は?
製造に8週間、船便の輸送に約6週間(実際は発注から日本到着まで約半年かかった)

- 完成製品の梱包方法は?
商品を木枠で覆う(upholstered)梱包…€110

- 頭金と残金の支払方法は?
頭金として€2,000、残金は商品が完成した時点で請求

- 商品代金に付加価値税(VAT)は含まれているのか?VATの払い戻しは可能か?
商品代金にVAT(19%)は含まれる。払い戻しは可能とのこと
ドイツではVATとして19%もかかる為、この払い戻しは非常に大きい。諸事の理由から、商品代金からあらかじめ先方で、その19%を割り引いた価格で見積もりを出しなおしてもらった)

- ドイツ側の通関費用は?
少しかかるとのことだったが、なぜか請求には含まれておらず、商品代金内で吸収してもらえたのかも!?

- 輸送の際の紛失・損害保険は?
保険は紛失・損害をカバーし、商品総額の0.25%(安すぎる気がした。結局この保険代も最終請求に含まれていなかったので、運送に際し保険に入っていたのかすら謎。)

- 日本のどこに到着するのか?到着したらどうやって知らされるのか?
東京に到着。どうやって知らされるのかについては、最後まで分からなかった。。

全ての事が初めてなので、取引完了までの流れを自分なりに想像するのだが、疑問は尽きない。最悪、お金を振り込んだものの、そのままドロンというリスクも無いとは言い切れない。実際工場でソファーが完成したら現地に赴き、それがきちんとコンテナに入り、船に乗るまでを自分の目で確認しようかとさえ、本気で思った。その迷いを消すがごとく、考え得るありとあらゆる不明点をクリアにしようと、メールのやり取りは絶えることがなかった為、担当者もしびれを切らしたのか、本当に発注する気があるのかと半ばキレ気味だった。(実在するのかも分からない極東の日本人とメールだけのやり取りだったので、向こうの言い分も分からなくもないが、何もキレなくても。。)
費やすこと2カ月余り、いよいよ一通りの質問にメールという記録に残る形で答えが返ってきた。送料・通関手数料諸々を入れても日本での価格より、はるかに安かったので、リスクは重々承知の上、正式に発注することを決心した。発注後、即頭金の振込を済ませた。
約10週間後、商品が出来たので残金を振り込んでくれという連絡を受けた。
さらに待つこと約12週間(言っていたよりだいぶ時間がかかったが、、)とうとう、待望の電話が鳴った。品物がドイツのハンブルグから届いていて、東京は大井の倉庫に保管されているとの旨の連絡が日本の通関業者から入った。注文した仕様通りのものが届いているのか(最悪、箱が空でないことを願って)を確かめにすぐにでも倉庫に行きたい気持ちが先行したが、ここで大きな問題が!!貨物の受け取りに必要な『重要書類』が手元に無かったのである!!
(つづく)

ここだけはおさえよう:
・商品代金だけでなく、梱包費用、輸送費用、現地消費税、関税、通関手数料、保険等、輸入にかかる総額をきちんと発注前に記録に残る形(メールor書面)で出してもらうこと
・くどい(クレイジーな日本人)と思われようともしつこいくらい質問することにより、担当者がどの程度食らい付いてくるか確かめるとともに、こっちも本気であることを分からせる


【参考:http://www.auk.co.jp/knowledge/word/alphabet_b.html


【参考:図解 これ1冊でぜんぶわかる! 貿易実務
私も参考にさせて頂いた、ジェトロ認定貿易アドバイザーの方による本格的な貿易実務書です。
専門用語の平易な解説やトラブル事例など大変参考になりました!

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