December 10, 2011

資産の棚卸2011:投資仲間に支えられ「控えめに仕込んだ一年」


今年は、忘れることのできない東日本大震災とその余波に始まり、米国債デフォルト危機、まだ鎮火には程遠い欧州債務問題、タイの大洪水など、洋の東西を問わず、様々な出来事が投資家心理に影響を及ぼしました。世界の動揺に伴い、集団心理的に、経済の根本となる信用は、世界規模で振り回されることとなった一年でした。

結果、ふたを開けてみると日経平均は一年前の121日から比べて、(大震災&米国債格下げによる)下りの階段を2段下ったかのような下落の一途をたどり、対ドルの為替は介入にもかかわらず、下げ止まりをみないという、投資家にとっては我慢の年でした。
(来年、再来年も、我慢の年、と書き続けるのかと、思ったりする程、投資家マインドが冷え込んだまま大納会を迎えるのかも。。)

しかーし、我慢といってもただぼーっとしていられないのが、小心個人投資家の性。今年は、ドル買いに始まり、バンガード新興国株式ETF(VWO)、米国S&P連動ETF(SPY)Topix連動ETFをしたたかな感じで買い増しました。結果:
んー、確かに自分の結果を見ても、インデックスvsアクティブ投資の神学論争において、今年のパフォーマンスだけを見てしまうと、インデックス派がおされぎみでアクティブ論調が優勢だったのを認めざるを得ないのかもしれない。ま、もともと1年のスパンで考えてはいませんが^^


「控えめに仕込んだ一年」。“ここが底(仕込み時)”と分かりやすい突発、急性的なイベントよりも、根の深い信用不安による“だらだら下げ相場”は仕込みの好機が捕えにくかった為、様子をうかがいながら小額を段階的に買い進めた、という意味で、“控えめに”仕込んだ一年でした。

ここまで平均株価、為替共に一方向的な展開になってくると投資方針に疑問が湧いてきて、くじけそうになる気持ちが芽生えてくるときもあります。でも、ネット、リアルを通じて一年を通じてお世話になった個人投資家の方々とのふれあいが、こういう逆風の中では何よりも支えとなりました。

日本復興はもちろん世界経済の拡大再生産性を信じる気持ち。それにもとづいた、ぶれない投資指針の固持。そういった考えをともに分かち合える機会を持てたことは、とりわけ今年は重要だった気がします。

個人投資の話などは、普段、公に飲みの席で話に上る事はない為、ついつい自分ひとりで考え、悩み、不合理的心理に振り回されることがしばしばです。そんな引きこもり症候群リスクを抱える投資活動ですが、時々でもいいので、仲間を見つけ、楽しく会話し、異なるスタンスを見聞きし、お互いのポジションについて確認する、それだけでもお互い励みになります。

最近はSNSの浸透もあり、以前よりはるかに簡単に“同士”を見つけ、交流できる場を見つけることが出来ます。ふと最近のネガティブな経済ニュース、塩漬け具合にうんざりで、証券会社の資産残高にふたをしたいと思っている方はぜひ、TwitterでもFacebookでも検索してみて、実際にオフ会等に足を運んでみてはいかがでしょうか?(こんな市況でも参加者皆さん明るく楽しく投資について語り合っていますよ!)
著名インデックス投資ブロガー水瀬さんの梅屋敷商店街のランダムウォーカーでも取り上げられていますので参考までに。

来年への抱負:
生活環境が変わったことにより、投資に回せる資金が減った一年でもありました。覚束ない外的環境に右往左往するよりも、まずは家計の見直しにより少しでも資産形成に回せる資金作りから始める必要がありそうです。市場が味方してくれないときは、自らを省みるのが得策かもしれません。

November 13, 2011

蝉は八日目にして一筋の光を見た


気付けば初の邦画レビュー。


観賞後の映画に対する感想がえらく発散し、まとまりをみないのは、この作品が単に誘拐犯の逮捕劇を描いたに留まらず、広く深く人間の根源的な何かを観る者に訴えかけたからだろう。

人生の今、この作品と出会えて本当に良かったと思う。

/女、既婚/未婚、子持ち/子無し、子育て中/子離れ後。観る人の数だけ解釈が存在する、考えさせられる映画であった。

(以降、多少ネタばれが含まれるので要注意!)


このストーリーとなった事象を新聞が取りあげたとするなら、せいぜい
「不倫相手の女が、不倫相手の子供を連れ去り、4年間育てた末、逮捕された。」と、
単なるひとつの不倫相手の逆恨み誘拐事件として片付けられてしまうだろう。
もちろん希和子(誘拐した娘の夫の不倫相手であり、その不倫相手との間にできた子供を堕胎させられた女)は誘拐犯としての「悪」、がおこした「事件」と読み取られる文脈で報じられることになるのである。


はたして、そうだろうか?
これは事件なのだろうか?
希和子は犯罪者なのだろうか?
本当に裁かれるべきは誰・何だろうか?


希和子の薫(誘拐した女の子に希和子がつけた名前)に対する愛それ自体は、決して裁かれるものではないと思う。


愛に善し悪しはない。


人がだれかを思う気持ち、愛は、自発的で、純粋で、慈善的で、人が人であり得る限り存在し続けるものであり、イノセントで空気のようなもの。ただ、人によってその量(愛がとめどなく湧いてくる人)、そのコントロール(愛の表現方法が極度に利己的な人)に個性がある。人の数だけ愛し方がある。
愛のアウトプットとしての行動(愛情表現)が法律に抵触し「罪」になる事はあるが、愛それ自体に、良い悪い(白 or 黒)は無い。無色透明である。

子供にとって、巻き戻すことのできない幼少の時間。誘拐された4年は、はたして良かったことなのか、悪かったことなのか?喜ぶべきことなのか悲しむべきことなのか?


ここに答えはない。


希和子にとっては、とめどない愛情を惜しみなく注ぐことのできた4年間。
娘の産みの母にとっては、取り返せない幼少期を剥奪された空白の4年間。
不倫相手の夫にとっては、自分の不倫がきっかけで娘だけでなく父権をも失った4年間。
そして、薫にとっては、産みの母と引き離されるも、希和子に無量の愛情を注ぎ続けられた4年間。
恵理菜にとっては、忘れ去りたい記憶として今も心に影を落とす4年間。

唯一つ言えることは、その事象と4年間という時間は、その本人だけでなくその関係者その後の生き方に大きな影響を及ぼしたということ。 

「三つ子の魂百まで」とはよく言ったもので、やがて恵理菜が大人となった時、その影響の大きさを知ることになるのである。

事象は繰り返される。不倫、夫に望まれない子の妊娠。

それは、夫の不倫相手、希和子を「がらんどう」と罵倒した、産みの母に対する精いっぱいの抵抗だったのか、
血のつながりこそないものの、育ての母として希和子から得た愛情の賜物だったのか。
恵理菜は決して逃げなかった、父親不在でも、母になることを決意するのである。
(母と父の違いなのか!?母性という言葉はあっても父性という言葉が一般的でない理由が少しだけ分かった気がした。)

誘拐から解放されたその後の人生において、ずっと目をつむって来た希和子との4年間。でもその記憶は決して消し去ることが出来ない程、強く、深いところで恵理菜を形作っていた。この物語を嬉しく思うのは、母子の関係は法の下引き裂かれるものの、注がれた愛情は脈々と子に受け継がれ、ご褒美として必ず報いるのだという事を描いてくれた点である。恵理菜は希和子を拒絶するのではなく、自ら母となる強い意志を持って、希和子の愛情表現を最後に受け入れたのである。

その結末をもって、これは単なる事件ではなく、母子間の母性の遺伝としての事象にまで昇華したのである。

八日目の蝉は、他の蝉よりも孤独で、生きることの苦悩は多いが、
その1日の余命で、本当に大切な、人生にとっての美しい何かに気付くことが出来たのである。



幼い子を持つ母、片親で育った子、不倫中の夫・女性、が観なくてはいけないのはもちろんのこと、他にも、愛情を受けて育った全ての人に観てほしい映画。
昔の産めよ、育てよと(誤解を恐れずに言わせてもらえば)家族を量産してきた祖母・祖父の時から時代は変わり、子供を切望しても恵まれない家族が多いこの世の中。親はどのように子と向き合っていくべきかについて、この“犯罪者”と“被害者”は多くのことを教えてくれた気がする。


何十年後になるかわからないが、母性の遺伝が確認できる頃に、今度は、小説を読んでみたいと思う。


補足:
愛は、親から子へ不可避に遺伝する(そして、無意識に親に似てくる)ものであるが、以下にレバノン出身の詩人であるハリール・ジブラーンの詩を引用することで、「子」は立派に「個」であることも付け加えたい。


『子どもについて』

赤ん坊を抱いたひとりの女が言った。 
どうぞ子どもたちの話をしてください。 
それで彼は言った。 

あなたがたの子どもたちは 
あなたがたのものではない。 
彼らはいのちそのものの 
あこがれの息子や娘である。 

彼らはあなたがたを通して生まれてくるけれども 
あなたがたから生じたものではない、 
彼らはあなたがたと共にあるけれども 
あなたがたの所有物ではない。 

あなたがたは彼らに愛情を与えうるが、 
あなたがたの考えを与えることはできない、 
なぜなら彼らは自分自身の考えを持っているから。 

あなたがたは彼らのからだを宿すことはできるが 
彼らの魂を宿すことはできない、 
なぜなら彼らの魂は明日の家に住んでおり、 
あなたがたはその家を夢にさえ訪れられないから。 

あなたがたは彼らのようになろうと努めうるが、 
彼らに自分のようにならせようとしてはならない。 
なぜなら命はうしろへ退くことはなく 
いつまでも昨日のところに 
うろうろ ぐずぐず してはいないのだ。 

あなたがたは弓のようなもの、 
その弓からあなたがたの子どもたちは 
生きた矢のように射られて、前へ放たれる。 
射る者は永遠の道の上に的をみさだめて 
力いっぱいあなたがたの身をしなわせ 
その矢が速く遠くとび行くように力をつくす。 

射る者の手によって 
身をしなわせられるのをよろこびなさい。 
射る者はとび行く矢を愛するののと同じように 
じっとしている弓をも愛しているのだから。 

神谷美恵子・訳(角川文庫)


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2011年 日本
原作:角田光代
監督:成島出
出演:井上真央(薫・恵理菜)、永作博美(希和子)

October 15, 2011

心温まる優/易しい愛の映画

イラン映画、運動靴と赤い金魚

ほとんどBGMも無ければ、手の込んだ撮影技法も無く本当にシンプルにイランの日常の物語が淡々と流れていく。

あえて極端な演出を控えているのは、そもそも幼児向けを狙って作られた映画だからだろうか?それとも、まだ技法的に擦れてない90年代中東映画の単純に素朴さの表れだろうか?映画を観ながら、制作の意図を勘ぐるそんな自分に気付くと、ふと嫌気がさす。「こんな純朴な映画なんだから、何も考えずに楽しめばいいじゃない」と。

映画後半ストーリーが動くと共に、そんな邪念がかき消されるように物語に入り込んでいきました。作品を貫く兄妹愛の象徴としての靴、彼らを陰から見守るようにわずかに登場する赤い金魚達。くすんだイランの貧困生活が描かれる作品中、唯一登場する二つの鮮やかな色。靴と金魚。それは、子供の心眼に見た、愛の色だったのでしょう、きっと。

映画のラストカットをそんな赤色で締めくくってくれた編集のバランス感覚には脱帽、感謝でした。

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運動靴と赤い金魚 (英語名:Children of Heaven
1997年 イラン
監督:マジッド・マジディ
出演:ミル=ファロク・ハシェミアン、バハレ・セッデキ

September 4, 2011

格安スマホ・デビュー (2)

[Day2:Androidスマホをゲット、テスト、そして考える]

携帯契約する上で本来の順番とは逆となってしまいましたが、先日SIMカードをゲットしました。次に必要なのは、もちろんスマートフォン本体です。ちょうど機を同じくして、以前から狙っていたSony Ericssonの新製品が発売されたこともあり、実機を見に早速店頭に行ってきました。機能こそコミコミでないもののコンパクトでスタイリッシュな本体に一目ぼれ、その場で購入を即決。

Xperia ray 本体購入価格:41600円にてお買い上げ!

早速ネットへの接続です。手持ちのb-mobile SIMを購入したての本体に差し込み、本体の設定(APN設定を作製)をするだけで、即座に3Gデータ通信ができました。


[回線速度に関して]

この980/月プラン、ここまで安いのは回線通信速度が「上下100kbps」という理由からです。その一番の肝となる通信速度について、1)スペック比較、2)測定アプリによる計測、3)不快度数、といった点から検証してみます。
(以下の評価は、基本3Gデータ通信に対するもので、Wi-Fi通信ではないことは、念のため。)


1)スペック比較

数字だけだと、ぱっとイメージがわかない人も多いのではないでしょうか。スマホの代名詞となっているiphoneのキャリア、ソフトバンクが一部対応地域に提供している3Gハイスピードのスペック上の回線通信速度は、下り7.2Mbps/上り5.7Mbps*3Gハイスピード:ソフトバンク)となっています。つまり、スペックの数字ベースで単純に比較するなら、ソフトバンクの方が(データをダウンロードする)下りは72倍スピードが速いということになります。

(*この数字あくまで、ごく限られた一部地域限定の最大値であり、現実的には県庁所在地および主要都市などにおいては下り3.6Mbpsとのこと。また一部書き込みによれば、実測値はかなり下回る場合もあるとのこと)


2)測定アプリによる計測

スペック上の数値はあくまで、好条件がそろった場合のキャリアの主張する通信速度ということで、実際にはどのくらいの速度が出ているのか計測アプリ(Speedtest.net Speed Test)で測ってみた結果が上図になります。

(測定条件:20119月上旬、東京都世田谷区、夕方、 注:条件によって結果も多少変わります)

下りの3G通信では、ベストエフォート値にかなり近い97kbpsのスピードが出ていました。ちなみに右の図はWi-Fi(光)での計測結果です。3Gと比べると下りで約180倍、上りで約100倍のスピード差という結果でした。


3)不快度数

スペック、実測値、などなど、いろんな指標はあるものの、結局重要なのは、「スマホでウェブを利用していて不快に感じるのかどうか」という一点に尽きます。

快・不快は主観的な感覚なので、忍耐強い人とせっかちな人とでは、当然不快かどうかの許容範囲は変わってきます。また、あまり動画サイトなどは利用せずメールが主体のライトユーザーと、ばりばりリッチコンテンツを利用するヘビーユーザーとでは、その不快許容範囲はもちろん異なります。

それらを踏まえ、ここでは、それぞれのアプリやサイトが完全に開くまでどの位の時間がかかるのか、その時間は私にとってどの程度不快に感じるのかどうか、という点を評価してみました。あくまで主観的ですのでご了承を。(テスト条件は上記と同じです)

-----不快度指数-----
☆☆☆:サクサク、全くタイムラグを感じない
  ☆☆:やや時間がかかるものの不快とは感じない
   ☆:かなり時間がかかり不快と感じる
(☆なし):不快を超えて、時間がかかり過ぎ利用できない
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1.ケータイYahooトップページの閲覧 
不快度指数:☆☆
表示までの時間:
35秒(キャッシュなし:初めてページを閲覧した場合)
27秒(キャッシュあり:ページを再訪した場合)

上記の約2/3程度の秒数でページ上部の情報はほとんど表示されるので、読み始められるし、途中でクリックで違うページにとぶこともできる。


2.グーグル・マップの閲覧(アプリでなくブラウザ経由) 
不快度指数:☆☆
表示までの時間:
3分(キャッシュなし)
10秒(キャッシュあり)
「皇居」を検索 約40

初めての閲覧はとにかく時間がかかる。一度出しているマップであれば早かった。ただし、スクロール、拡大させようとすると滑らかというわけにはいかず、読み込みに時間のカチカチ感あり。

ちなみにアプリのGoogleマップはというと、
不快度指数:☆☆☆
表示までの時間:
既に開いた事のある地図であれば、瞬時に表示。初めての場所でも、全表示まで約35秒。一度表示されれば、ブラウザ版とは異なり、滑らかにスクロール、拡大縮小も可能。


3.You Tubeの動画再生 
不快度指数:(☆なし)
表示までの時間:
50秒で始まるも、30秒止まっては5秒再生が繰り返される。。開くのはいいけど、もはや動画ではなく、超スロースライドショーといった感じで、観るに耐えるレベルではありませんでした。



結果、3Gデータ通信についてはアプリのグーグルマップの閲覧程度であれば、それほど不快感を感じず、十分利用できる印象でした。その他、ツイッターやフェイスブックといったテキスト中心のアプリなどであれば最初のアップデートに数秒~10秒程度かかるものの、ページ間の移動も比較的スムーズでストレスは感じませんでした。ただし、よりヘビーな動画再生になると上記のように読み込みにかなりの時間がかかる為、この通信プランでは使えないという結果でした。
(ただし、ブログの書きこみ等によればYou Tube3大キャリアの提供するネットワークでも途中で止まるという話もあるので、現状動画ストリーミングについてはWi-Fiで見るのが無難というのは変わらないのかもしれないです。)


[b-mobile SIMプランについて、その他もろもろ]

その他知っておきたい、このプランの特徴について:

・ 同じプランのまま、追加料金なしで、テザリング(スマホの無線LAN・USB機能を利用して、他のパソコンやゲーム機器をインターネットに接続できる機能)が可能

・ ドコモのFOMAネットワークを使用する為、比較的カバーエリアは広範囲

・ b-mobile SIMプランA100kbps)は初期手数料3150円がかかる分、契約期間の縛りや解約手数料は無し。契約してみて、トロい、モサっとしてて使えないと思ったら、手数料なしで簡単に解約できます。
(解約せずにその上のプランB400kbps 2980円)やプランCMbpsクラス 4980円)にアップグレードも容易にできます)

・ ただし、特に利用の多いユーザーには通信速度の制限がかかる
(直近3日間の通信量の合計が300万パケット(360MB相当)以上、または1ヶ月間の通信量の合計が1000万パケット(1.2GB相当)以上)


(ひと月1000円未満という破格の値段だから制限されて仕方がないというわけではなく、きちんとヘビーユーザーを制限することで、受益者間で不公平が生じない為にも必要なルールです。「利用者の2%がデータ通信量の4割を占める」とソフトバンク孫社長をも困らせる、このヘビーユーザー問題。各キャリアも帯域制限によってようやく対応し始めたといった状況です。(Gigazine2011年版帯域制限))



[総費用比較]


このように、速度が遅いという欠点をもったこのb-mobileプラン。では、その長所である格安通信料がどの程度の恩恵をもたらすのか、ここでは2つのケースの比較から、それぞれ2年と5年の総支出は幾ら程度になるのか考えてみましょう。

既存(この場合ドコモ)の携帯をしばらくの間使用している人が、その電話は音声通話専用として持ちづつけ、加えてデータ通信専用端末として本b-mobile プランA (100kbps) 2台目に持つ場合。

もう一方はそのガラケーを止め、ソフトバンクのiphoneに機種変更する(iphoneでこれまで通りの音声通話量を行い、加えてデータ通信もする)場合。


結果はというと、2台持ちの方は、月当たりの支払いはかなりやすく、初期の本体購入代金の分割合算分を加味してもiphone1台持ちより5.7万円の得という結果になる。

さらに、2年を超えて使う場合は、その総費用差はさらに大きくなり、5年後で192万円の差となる。iphoneのほうは最初の2年で、本体の分割支払い金2400/月がなくなるが、同時に月々割の-1920/月が受けられなくなることで、2年以降の月の支払額も以前とさほど変わらないことから、ずっと7000円以上を払い続けることになる。

(同期間の月々割で本体の賦払金を相殺させることで、賦払い終了後もあたかも月の支払額があまり変わっていないように見せることで、相当数の顧客を繋ぎ止めることが出来ると思われる。。)


【まとめ】

ビジネスユース、企業マーケティング、などなど、急速に繁殖する高機能携帯電話「スマートフォン」。産業界、メディアがこぞって取り上げ、街の中学生・おばあちゃんまでもがタッチパネルをピンチする光景が日常茶飯事になりました。

とはいえ、ほとんどの一般ユーザーはそれを何に使っているかと言えば、ゲームだったり、SNS(友達との繋がりサイト)だったり、マンガを読んだり、ウォークマン的に音楽を聞いたりというような、お遊び目的が殆どではないでしょうか!?
テレビ視聴時間の低迷、既存の(昔ながらのTV/ポータブル)ゲーム機市場の縮小や紙媒体の本の売上減少などは、他でもなく「携帯遊び」がこれだけ拡大しているからにほかなりません。

そんなあくまで「遊び道具」であるスマホで、無体無形の情報をやり取りするだけで毎月8000円近くも口座から自動引き落としされていくのは、もったいないと思ってしまうのは私だけでしょうか!?

よく聞かれるのが、「皆がそれくらい払っているのだから、それくらい払うのは仕方がない。」という意見。
海外に目を向ければ、定額データ通信にここまで料金を払っているのは世界でもカナダと日本だけというデータもあります。(International Wireless Data, SMS & Voice Calls cost comparison by India Business Blog Trak.in) 

また別の人はこう言います。「毎月口座から自動引き落としなので、携帯代はあまり気にしていない。」
携帯代は毎月必ず発生する重要な固定費の一つ。日々のスーパーの特売での数十円の節約や、つまらない2-3%のポイント還元を追い求めるエネルギーがあったら、より大きな携帯代という固定費をどう抑えるかに知恵を絞った方がよほど実入りは大きいのではないでしょうか。

今後長期化が予想されるデフレの時代、オリゴポリーのメガキャリアの思うつぼになっちゃいけないのでは、と思うのです。健全な消費者主導市場の実現の為だけでなく、努力して稼いだお金に対する感覚を研ぎ澄まし、健全なお金の使い方を身につける為にも、スマホ・デビューと、勢い勇んで街の携帯販売店に駆け込む前に、今一度、大切なお金とそこから得られる自分にとっての本当の価値とは何かに考えを巡らせる必要もあるかもしれません。

August 21, 2011

格安スマホ・デビュー (1)


最近ふと、長年愛用したガラケーを卒業し、
スマホ デビューでもしようかなと思い立つ。

ここまでスマホを踏みとどまった唯一の理由が
通信料がべらぼうに高いということ。
(International Wireless Data, SMS & Voice Calls cost comparison by India Business Blog Trak.in)

3社足並みをそろえたソフトカルテルへ
微力ながらの抵抗ということで、
スマホ格安利用の一長一短について検証する。

目指すは、スマホ ひと月987円である。



[Day1:b-mobile SIMをゲット]

日本通信がドコモの回線を借りて回線事業を提供するサービス
b-mobile SIMを契約しにイオンに向かった。
(これ、どういうわけか、イオン専用ということで、
イオン店内の携帯売り場に行かないと契約できません)

契約プロセスは携帯電話の新規契約とほぼ同様。
契約書を記入し、身分証明書、クレジットカード(支払いはカードのみ)を提示しました。
プラン自体に途中解約手数料などがない分、初回手続き時に契約手数料3150円を支払う。

プランは通信速度に応じて3段階設定。
もちろん、最も安い980円/月@100kbpsを選択。

不備がなかったので、その場で無事SIMをもらえました。
(既にスマホを持っていれば、すぐに挿して使用可能とのこと)

さて、どのスマートフォンにするか?
調べる時間が一番楽しかったりもするわけで。
(続く)


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今日の支払:契約手数料3150円
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補足:
最新日経トレンディー 2011年9月号のスマホ特集でも
本b-mobile SIMについての記載は1ページだけでした。
(メール、テキスト中心のSNSの利用には問題ないという見解)

July 10, 2011

いまどきの大学「英語2.0」に感心+積極応援!

627日月曜日。有給をとり、一年ぶり二度目となる神田外語大学(幕張キャンパス)にお邪魔してきました。大学で教鞭をとる知人にお声掛け頂き、国際ビジネスキャリア専攻2年生向けの「企業英語I」という授業の1コマにてゲストレクチャーとして講義をする機会を頂きました。

単なる教室における英語を超えて、仕事の中での活きた英語を生徒さんに感じて頂くというのがその授業の主旨です。実際にビジネスの現場ではどのように英語が使われているのかといったことや、道具としての英語をどう駆使しながら仕事を回し、お金につなげていくのかといったことについて、少しでも何か感じてもらえたら目的達成というわけです。

日々そんな現場で孤軍奮闘するいち社会人として1コマ90分、マーケティング・コンサルタントという立場からウェブ事前調査、お話、グループワークなどをさせて頂きました。

14名の2年生の生徒さんと90分英語での講義でした。私の自己紹介に始まり、現職についての説明、マーケティングの基礎のお話、実際のマーケティング戦略ケース(日経Web版の価格設定策)の解説、最後に行動経済学的プライシングに関する簡単なオンライン調査結果とその考察と、内容は盛りだくさんでした。

しゃべる側となると90分などあっという間ですが、ひたすら聞いている側にとっては興味のある話でない限り、午後の授業はきついものがあるはず…。ということで急遽、日経Web版のケースについては、私による解説というよりも、グループワークで生徒さん自身が考え、発表してもらうという形式にしました。各グループ、日本経済新聞社のマーケティング・マネージャーになってもらい、新サービス「日経Web版」の価格設定とポジショニング戦略を考え、皆の前で発表してもらいました。

言語に縛りは設けず、日・英どちらでも構わないということで、発表してもらいましたが、いくつかのグループは、堂々と新サービスの価格設定とその根拠を英語で説明してくれました!もちろん流暢な英語というわけではなかったですが、少なくともそのグループの考えとその根拠はきちんと理解できたし、聴衆であったクラスメイトにもきちんと伝わっていました。たとえ完璧でなくともものおじすることなく皆の前で、日本語以外の言語でしっかりと自分の意見を述べる。生徒さんのその姿にはとても感心させられました!(加えて、名指し無しでも躊躇することなく自ら手を挙げ英語で質問してくれた生徒さんも何名もいました。感謝!!) 一方、感心すると同時に、自分の大学2年生の頃の姿が思わず脳裏に浮かび、恥ずかしさすら感じてしまいました。(時代を言い訳にしちゃいけないですが、その頃の自分を思い出すと、英語で発表なんてとてもとても…()。とにかく頭の中でS+V+…みたいなことがぐるぐる回り、(そもそも大した文章でもないのに、、)文が整ったと思いようやく口から出てくる頃には、話題が2歩も3歩も先に行っているといったありさま。。)生徒さん達の姿から、今の大学教育における英語の位置付けは、そんな過去の「英語1.0」をとうに超えて、もはや「英語2.0」の段階にきてるんだなと実感しました。

14人の生徒さんの中には、バングラディッシュ系や中国系日本人の生徒さんなどがいて、少人数ながらもとても国際色豊かなクラスでした。そんな国境を越えた仲間と一緒に勉強できる大学生活というのは、クラスメイトにとっても他言語でのコミュニケーションが当たり前という意識が自然に身に着くとても良い環境であることは間違いありません。教育の最前線に行ってみて改めて、教育環境も社会変化の波に柔軟に対応しているのだなー(考えてみると当たり前のあるべき姿かもしれないのですが、)と妙に納得。

このゲストレクチャー、お手伝いさせてもらって2年目になるのですが、一方通行でなく、なるべく双方向的な時間にしたいという狙いもあり欲張ってグループワークも含めた為、(というかそもそも、英語の90分で内容自体詰め込みすぎという話も。。)最後のひとつのお題を説明しきれず、タイムオーバー。余裕を持ってQ&Aまで時間内に納めたかったのですが、欲張りすぎました(反省)。。少なすぎて時間が余るのではという位のボリュームにまで事前準備の段階で、絞り込むべきでした。(私の場合、要点を絞り、惜しげもなくカットする思い切りがどうやら必要なようです。。)引き続き今後の反省点となりました。

授業、生徒さんとの夕食会も終え、陽も傾いた頃キャンパスを後にしました。ようやく知人の先生と二人こじんまりとビールで打ち上げです。実は、その先生と私は歳こそ違えども、机を並べ共に学んだクラスメイトでもあります。私達も当時学生の立場から、様々な社会人の方から講義を受ける機会があったり、企業訪問をして経営幹部の方にお話を伺ったり、教科書を超えた活きたビジネスを学ばせてもらった経験があります。それは間違いなく、私達にとって貴重な経験となっただけでなく、教科書での学びを大きく増幅させてくれたのは疑う余地もありません。

飲みの席での話。その先生が、「現実、「外国語大学において商売とは、なんぞや。」という保守層も依然存在するんだよ。」と言っていた言葉が印象的でした。そんな意見もある中、先生をはじめとする一部(革新派!?)の動きとして、大学をもっとオープンに、生徒さんにもっと活きた英語(食べる手段としての英語)をという流れも出てきているのは、自分の経験からも非常にいいことだと思います。応援!

これからの社会を担う若手の方と90分の時間を共にしたことで、いろいろ刺激を受けました。日本の国際化、少子高齢化、政治や財政の停滞・鈍化など、将来の不安要素を挙げたらきりがないですが、一個人、微力でもできる事ってきっとあるんだろうなと思ったり。今後も機会があれば、自分が伝えられることは限られますが、積極的に協力できればと思います。生徒さんが世界と伍して戦えるグローバルな社会人になる一助として、少しでも何かできればという気持ちで、また来年もお手伝いできたら嬉しいです。

その分ネタも仕込んどかなきゃ。

April 30, 2011

「書いて生きていくプロ文章論」の溢出効果に感謝!


ビジネス・実用書を中心に古典、新刊問わず読み漁る中、久々に思わず感謝したくなるほどの殿堂入りの本に巡り合えました。

過去3000人を超える著名人、成功者の方々にインタビューを行い裏方として数々のベストセラーを世に送り出してきた職業ライターの上阪徹さん(代表作「プロ論。」シリーズ)の本です。今回は自らを表舞台に立たせた、「“自分の考え”を“自分の言葉”で構成した初めての本」です。

この本、そのタイトルには収まりきらない程、多くの示唆に富んでいます。一見するとそのタイトルから限定されてしまうかもしれない一定の読者層だけでは非常にもったいない程、様々な方に読んで頂ければと思い、紹介させて頂きます。

この本をぜひ読んでほしい人:
・ 文章を書くことを生業にしている人はもちろん、趣味でブログやメルマガ、ホームページを書いている人
・ 仕事としてインタビューや取材を行う人はもちろん、普段自分のコミュニケーションに一方通行を感じていて聞き上手になりたいと思う人
・ プロと認められる為に努力をしようとしている人はもちろん、社会人経験もそこそこ、仕事に慣れてきて行き詰まりを感じ始めている人


第1章から3章までは文章の心得、第4、5章はインタビュー(広義での聞き方)の心得、第6、7章は上阪さん本人のプロとしての仕事論という構成です。

本書の一番の良いところは、文章の書き方を題材としてその心得を丁寧、平易に自身の経験に基づいて説明してくれている点です。題材はあくまで彼の専門である文章の書き方についてですが、丁寧に簡単にかかれている為、その主旨は普遍化され、読み手に様々な示唆を与えてくれます。

本書中盤、インタビューの心得の部分などは一見仕事柄取材やインタビューに関わりの無い人にとっては、「私には関係ない」と読み飛ばされてしまいがちですが、そこはさすが職業文章家!その丁寧で易しい語り口により、そこで述べられていることがそのまま、例えば採用面接を行う際の心得として読み替えることができ、非常に多くのことを再確認させてもらいました。

貴重な時間を割いて弊社に面接に来て頂いていることへの感謝。それを体現するにふさわしい身だしなみ。面会者への事前調査と質問の準備。どうしても会話が途切れるときの対処法等。私自身仕事柄、インタビューも行うので直接的にも学びは大きかったのですが、簡単に書かれている故に、インタビューに留まらずその意味するところが読み進める中でどんどん膨らんでいくのがとても刺激的で、爽快にすら感じました。「採用面接にも当てはまるな」とか「そのまま提案営業にも当てはまるな」とか読む間に溢出効果の快感を覚えました。

名著とは、その書かれ方いかんで、読む時によっても読む人によっても、様々な解釈を許し、違った学びを与えてくれるカメレオンのような本の事なのでしょう、きっと。この歳でそんな殿堂入りの本書に出会えたことに感謝をしたいと思います。 

April 3, 2011

【MBAの歩き方】 4.MBA出願・会社準備

ここまでの段階を経て、
「どうしてMBA留学なのか?」
「どのMBAプログラムが、その目標達成の為に適しているのか?」
「今の会社を続けての社費留学か、辞めての自費留学か?」
に対する答えが固まってきたら、具体的にMBA留学への準備を始めましょう。

多くの志願者の方は仕事の傍ら準備を進めて行くことになるため、予定するMBA始業時期から余裕を持って逆算したスケジュールを組みましょう。出願関連の準備と会社関連の準備を同時進行で進めることになります。最もシンプルと思われる、志願先を1校に絞り込んだ自費留学という私の場合、準備に要した期間は約12カ月間でした。(例えば、社費留学を狙う場合、会社によっては選考試験・面接を課す場合など別途準備が必要になってくる為、より準備に時間がかかることもあります。)

MBA留学の出願プロセスにおいて、一般的な日本の大学入試などとは根本的に異なる、最も重要なポイントがあります。それは、必要書類、スコア一式が揃うのを待たずに、とにかく「まずは出願する」ことです。とかく、日本人は日本の大学入試や役所での申請手続きなどを数多く経験していることから、不備のない完璧な情報を全て揃えて初めて提出可能になるものと考えがちです。しかしながら、MBAの出願はそのようなやり方とは全く異なるプロセスです。多くのMBAプログラムは、海外からの志願者に門戸を開くべく、オンライン形式での出願方法を採用しています。志望するプログラムへの出願が決まったら、なるべく早い段階でオンライン上で「まずは出願」してしまうのです。まだ全然、GMATの点数も出ていない、エッセイの構想も練ってすらいないなどと躊躇する必要はありません。ここでのオンライン出願は言わば、これから長期に及ぶ出願に関する様々な情報を保存する為のフォルダーを作るようなものととらえて下さい。

なぜMBAの出願プロセスがこうも異なるのでしょうか?MBAの選考は、大学受験ほど数の多いものでもありません。また、入学試験のように点数という画一的な物差しで、ある程度類似した人生経験を持つ志願者を効率的にふるいにかけるものでもありません。選考する側は志願者一人一人を点数だけでなく、エッセイに書かれた志望動機やこれまでの就業経験など、その人に関わる全ての情報を包括的に検討した上で、合否選考を行います。効率よく数をさばくというよりは一人一人志願者の中身を吟味する選考となります。本年度の全志願者全ての必要書類が揃うのを待って、それら全てを横並びにして、上から何人まで合格のオファーを出していくといった類のものではありません。画一的な基準が存在しないので、どれだけ選考委員の人に「この人に来てもらいたい」と印象付けられるかが最も重要になります。そのため、「2.MBAプログラム選択」の節で説明した、オープンキャンパスやMBAフェアなどを利用して事前に選考人となるであろうディレクター等と接触しておくことが非常に有効となります。実際に会い、名刺を交換し、面と向かって自己紹介、鋭い質問、熱意を伝えることで、その後の選考過程で他に一歩抜きんでることは間違いありません。(卒業生としてMBAフェアなどのお手伝いをさせて頂く機会がありますが、終了後ディレクターを交えその日頂いた名刺を広げながら、「この人はポテンシャルがあるな」などと、その場で必ず簡単なレビューを行うのです。)

話を戻すと、完璧に全て揃ってからいざ出願では遅いということです。まずはオンライン出願、がMBA留学準備の第一歩となります。

準備に要する時間や手間も、人それぞれです。社内選考を課せられた企業派遣での留学の場合、出願したいプログラムが複数ある場合、志願するプログラムの要求する試験成績(GMATTOEFLスコア)と現状とに開きがある場合など、準備に要する時間はケースバイケースです。
以下は、私の場合(会社を辞め、自費で留学をした場合)の準備スケジュールについてご説明します。


TOEFLGMAT勉強
MBA準備の中で、最も時間と労力をとられるのがこれらの試験対策ではないでしょうか。プログラムによってそのウェートや選考の際の位置づけも多少異なりますが、私の意見では、プログラムが要求する最低スコアをクリアできればそれで良しとしましょう。TOEFLはとりわけ英語でのMBAの授業に耐えうるだけの英語力は最低限証明して下さいという為だけの指標で、このスコアがいくら良くても、他の部分で見劣りする場合は合格は難しいでしょう。GMATについては、最低限のスコアが設定されている場合はそれをクリアすることを目標に、勉強と受験タイミングの計画を練りましょう。 GMAT対策として私が行った幾つかの勉強方法は以下の通りです。

GMATの主催団体が唯一発行する公式問題集。言わば、GMATの赤本。とにかくこれをまず隅から隅までやり、問題の傾向をつかみました。現時点で12版が最新版のようです。

・予備校(アゴス・ジャパン:旧プリンストンレビュー)
費用がかかりますが、週の決まった曜日、時間にクラスで受講するので、仕事との両立でもモチベーションが上がります。カリスマ的GMAT講師の行う授業は端的・明快で秀逸。短期でスコアメイクが必要な場合は特に有効でしょう。(他にも、イフ外語学院アフィアンスなど様々な授業があるので、自分にあったロケーション、期間、費用のコースを選びましょう)

800SCORE.com(オンラインでダウンロードできる模擬試験)
2600円で5回分の本番そっくりのGMAT模擬試験がダウンロードできます。コストパフォーマンスにも優れ、本番前に試験の時間配分、画面のインターフェイスに慣れるには最適の教材です。

②エッセイ準備
エッセイに関しては、主張、説得力のある内容力と、それを適切な英語で明確に伝える文章力の両方が求められます。書く内容については、これまでの第一節、二節と順を追って、きちんと骨太の志望動機を考えここまで準備を進めてきていれば、自ずとエッセイの主旨は固まっているはずです。問題は、後者の英語の文章力の問題です。母国語である日本語も例外ではなく、どの言語においても文章力は一朝一夕に身につくほど簡単なものではありません。もし、自分の文章力に全く自信がなければ他人の協力を仰ぐのもひとつの手です。しかし、プロに添削依頼する場合も、注意点があります。あまりに洗練されすぎた英語に手直しされるのも、逆効果になる場合があるということです。先にも触れたように、選考はその人についての全ての情報を包括的に評価した上で、合否の結果が下されます。例えば、海外経験のない履歴の志願者がTOEFLGMATVarbal sectionのスコアが低めにもかかわらず、プロの協力を仰いで難解な語彙を完璧に駆使したエッセイを提出できたとしましょう。選考委員はもちろんエッセイだけでなく、全ての情報を元に評価をするので、エッセイを読むやいなや他人の手が入り自分の言葉で語っていないな、と見透かされてしまうでしょう。MBAプログラムの受講に遜色のない最低限の英語力を伴い、かつ自分の英語力から極端に飛躍することのない、身の丈に合った語り口のエッセイの方が説得力があることは間違いありません。文章技術にあまり固執せず、まずは説得力のある内容を固めることが大切です。

③推薦書依頼
推薦書は、お願いして書いてもらうものなので、志願者側に準備の負担を強いるものでもありません。しかし、以下のような場合は手間と時間を要する場合もあるので、余裕を持って手配を進めましょう。推薦人の方が英語が苦手な場合は、志願者自らが推薦書の草案を書くようにと言われる場合があります。また、推薦人が海外在住の場合は、連絡、送付に時間がかかることがあるので、推薦人にとっても負担とならない程度に締め切りに余裕を持って、比較的早い段階で依頼をしましょう。

④会社準備
会社準備については、私は企業派遣の留学ではなかったので、その詳しい準備や段取りについては分かりません。会社によって社内選抜プロセスや準備に要する期間などまちまちなので、担当部署や企業派遣でMBAを取得した先輩に尋ねましょう。会社を辞めての自費留学だった私が唯一行ったことと言えば、上司、人事部への報告でした。普通の転職の場合同様、直属の上司にまず報告、それからその上の部長。人事へと報告するのが基本となります。但し、推薦書を現職の上司に依頼する場合は、推薦書を依頼する段階で合格の際の出処進退も聞かれると思うので、社内的に妥当かどうか考慮し、報告の順番とタイミングを考える必要があります。私の場合、一番最初に直属の課長に、MBA留学の意向がある(MBAプログラムに合格したら退職も考えている)ことを伝えると同時に推薦書をお願いしました。MBA開始の時期から、有給消化期間、引き継ぎに要する期間を逆算した時期に退職願を出すべきですが、その時点で志願するプログラムから合格通知が来ているとは限りません。退職願が遅れて引き継ぎに支障が出ることがない為にも、出願締め切りギリギリではなく、まずは早めのオンライン出願。そして余裕をもって必要書類を提出し、スムーズに離職できるようにスケジュールを立てましょう。

March 17, 2011

~今できる5つのこと~ 施策&実行

東北地方太平洋沖地震におきましては、
被災者の方々やそのご家族、今なお現地で救援や
事態の終息に尽力されている皆様に、御見舞申し上げますとともに、
被災地の復興をお祈り申し上げます。

地震発生から五日以上が経過し、
信じられない出来事が、現実だったんだと実感に変わり、やがて、
この逆境をどう乗り越えたらいいのか
という前向きに考える気持ちが出てきました。

~今できる5つのこと~


①冷静な対応
これが個人レベルで求められる最も重要な心構えです。
焦り、動揺は事態を悪化はさせても解決はしません。
時には、扇動的でもある情報と距離を置く為にもテレビを消し
(節電&AC(公共広告機構)酔いの特効薬にもなります)、
普段の平日は何をしているのか思い起こし、それを平常心でいつも通りに行いましょう。

私は、日中、パソコンを前にいつも通りパワーポイントとエクセルに向かっています。



②信頼おける団体への寄付
精神的にも豊かな国である日本には、相互扶助の精神があります。
生活余剰金がある場合、その一部だけでも寄付をすることこそが
共に助け合う気持ちを具現化する最も手軽で効果的な方法です。

我が家は、Yahoo!基金の緊急災害募金へ募金をさせて頂きました。

注意)義援金を装う詐欺まがいのサイト、メールが氾濫しています。
くれぐれも募金の運営団体と寄付金の使途を確認した上で募金を行って下さい。



③持続的な節電対策
短期的な節電ももちろん重要ですが、事態の長期化を想定して持続可能で中長期的に節電となる方法を
(言い換えれば、事態が終息した後でも引き続き無理なく行える節電)導入しましょう。

例えば、
・液晶テレビのバックライト(画面の明るさ)を抑える設定にする
・暖房の必要がないように、保温効果のある下着を重ね着する
・お湯は必要な時、必要な量だけやかんで沸かす
・これを機に家の電球を低消費電力の電球型蛍光灯に換える
(他に何か良いアイデアがありましたら、ぜひお聞かせ下さい!)

我が家は、短期的な節電(コンセント抜線、キャンドルナイト)を心がけつつ、
持続可能な節電に今後切り替えます。


④ひたむきな経済活動
経済活動の停滞を極力抑える為にも、
(活動可能範囲に個人差があるので)自分のできる範囲でよいので、
ひたむきに通常の生活を営みましょう。

労働:安全が確保でき、働ける状況にある人については、"通常営業"で参りましょう!
消費:エネルギー源(電力、電池、石油燃料、非常食など)以外については、普段通りに買い消費しましょう。
投資:市場も乱高下していますが、投資に決まったルール(積立投資、損切り、定期的なリバランスなど)がある人は、意思を貫き粛々とそのルールを遂行しましょう。

私は、現在会社より自宅待機事指示が出ていますが、
事態終息後、余裕を持って仕事に戻れるように、蓄えを作りたいと思います。
(営業開始後、すぐに食い尽くすことになるかもしれませんが(苦笑)。。)
これを機に省電力タイプの電球に取り換えます。
アマゾンで本も注文します。読み終えた本も売ります。
いつも通り、ビールも飲みます。
基本、バイ・アンド・ホールドなので保有証券は売りません。
地震前、日本株式群はポートフォリオの約45%だったたので、3/15時点、8%程度の目減りに留まっています。


⑤笑顔で挨拶
昨日電車で、小さい女の子の赤ちゃんを連れたお母さんと隣り合わせでした。
赤ちゃんはしきりに、「おかあさん怖いよー」と鳴き続けていました。
赤ちゃんに笑顔を向けると、不思議がってか(!?)泣きやんで、私の顔を注視してくれました。
(赤ちゃんをさらに怖がらせなくてよかったです(笑))

老若男女問わず、皆に元気に挨拶するように心がけたいと思います。
逆境下では意識をしないと、笑顔は容易に影を潜めます。
たとえから元気でもにっこりと挨拶すれば、笑顔は容易に広がっていきます。

笑顔を忘れそうになった時には、大好きな映画「ライフ・イズ・ビューティフル 」お薦めです!



事態を一挙に解決できるアイデア、奇策などは存在しません。
何気ない日常をいち早く取り戻すためには、
何気ない日常の当たり前のことを、当たり前に行いたいと思います!

January 30, 2011

SNS狂想曲~Facebookの台頭に備えて~

最近、日本人の友人からのFacebookのお友達招待を受けることが増えています。
(映画、ソーシャルネットワークの影響でしょうか?それとも、巨大SNSの波が日本にもようやく伝わってきたということでしょうか?)

現時点において世界で唯一、Twitter利用者がFacebook利用者を上回る[2] ガラパゴス日本でFacebookが今後普及するかどうかについては賛否両論あるようです。しかし、Facebookのマクロトレンドを予測する事よりも、日々メールボックスに届く、Facebookの招待とどのように付き合っていくかの方が切実な問題です。キノコのように繁殖するSNSサービスの数々。それらのコミュニケーション手段を上手く使いこなせれば有益な情報や人脈を得られることは確かですが、逆に、やみくもに登録、無秩序に管理をしていると、有益となるどころか時間と手間ばかり取られてしまい、三日坊主で放置アカウントとなってしまうのが関の山です。

私も試験的導入も含め、SNSをいくつか使っているのですが、そのような問題が常につきまといます。ここでは、特に最近の日本おいて、顕著な広がりをみせる、Facebookとどう付き合っていくか、どう有効活用させるか(さらに踏み込むとTwitterとどう使い分けていくか)について考えてみます。


[Facebookとは、Twitterとは?]

Facebookの最大の特徴は、登録の際に実名登録を推奨しているという点です。Facebook参加者のほとんどが実名で登録している為、利用する以上、「郷に従うのが自然」といった暗黙のルールが存在します。また、招待を申し込まれた人からの承認があって初めて友達関係になれるというルールもある為、お互いの素性をあまり知らずに、つながりだけが拡散することはあまりありません。本名を出し、友人の友人というつながりを担保することで、SNS内で秩序が保たれると同時に情報に責任が付加することで、情報の信憑性が増します。実名だけでなく、設定次第では生年月日、学歴・職歴、さらには彼女の有無まで公開することが出来ます。

一方、TwitterFacebookとは異なり、実名登録の必要はなく、細かな個人プロファイルの表示機能は特に用意されていません。また、承認という概念はなく、誰でも好きな人をフォローすることができます。有名人であれば、登録のその日に、意図せずとも数千人にフォローされるということも稀ではありません。


私見での(一部、個人的な使い方に基づく)各SNSの日本における現状のマッピングです。Facebookにおいてプライバシーを細かに制御できるようになったことと、Twitterにおいて画像・動画・リアルタイム中継等の周辺アプリが充実してきたことにより、その機能と使い方が徐々にオーバーラップしつつあります。両方のSNSを使うユーザーにとって、FacebookとTwitterでできることが似通ってきた為、どちらがいいのか?悩むことになります。


[Facebookとの付き合い方]

今後、日本においてもより増すであろうFacebook勢力とどのように付き合っていくか、3つのオプションについてその一長一短を検討してみましょう。


オプション1:互いに住み分け

Facebookにおいては親しい人とだけ友達になる。Twitterでは分け隔てなく、親しい人とも距離を置く人とも積極的にフォロー・フォロワーの関係になる。
 【長所】
・個人情報の公開対象をSNS毎に明確に分けることが出来る
 (細かい個人情報を公開してもよいような親しい人と、そうでない人をFacebookTwitterで分けられる)
Twitterのみを利用する友人もFacebookのみを利用する友人も、両方取りこぼしがない
 【短所】
Twitterにはない、Facebookの各種機能は親しい人との間のみに限定される
(例えば、人を区別することで、距離を置く人とは、Facebookの“グループ”や“アプリケーション”機能が利用できなくなる)
・友達をFacebookTwitter両方にまたぐべきかどうか、個別に選別する必要がでてくる


オプション2:Facebookを使い分け

Facebookでは、どの友達に対して、どういった情報を公開・非公開にするかということが、事細かに設定できる。そのプライバシー管理機能を利用して、Facebook内で友達を区別する。細かい個人情報を公開してもよい親しい人と、個人情報を共有したくない距離を置く人とをFacebook内で分ける。Twitterにおいては、人を分け隔てず、今のまま使い続ける。
 【長所】
Twitterでの友達ともFacebookのコンテンツを(公開内容をコントロールしつつ)共有できる
Twitterのみを利用する友人もFacebookのみを利用する友人も、両方取りこぼしがない
 【短所】
Facebook上で、友達毎にプライバシーの公開環境の細かい設定に手間がかかる
FacebookTwitterの両方のメンテナンスに時間を費やす


オプション3:Facebookに乗り換え

機能面からだけ言えばTwitterでできることは全てFacebookでも可能であることから、Twitterをやめ、Facebookに完全移行する。
 【長所】
2つのSNSを管理する必要はなく、Facebookだけ管理すればよい
【短所】
Twitterはやっているが、Facebookをやっていない友達にリーチできない
・(今の日本では)Twitterの方が情報の流動性・俊敏性に優れる為、Facebookではリアルタイムな情報の質・量が欠ける



私自身、Twitterを積極的に利用しつつも、日本以外の友達についてはTwitter利用率が低いので、そのような友達とはFacebookを使わざるを得ない状況にあります。これまではなんとなく、日本と海外の友達という国別の分け方でTwitterFacebookを使い分けられていたのですが、日本で広がりを見せているFacebookと、今後どう付き合っていくかは、現在思考錯誤中です。

「どのSNSにおいて」、「どの範囲の友達にまで」、「どういった情報を公開するか」、についてそれほど敏感になる必要はないという意見もあるかもしれませんが、私は慎重になってしまいます。情報の透明化がもたらす便益は計り知れないものがありますが、それが往々にして不利益となることも忘れてはいけません。例えば、Twitterで「外出中なう」とつぶやいて、帰宅すると、空き巣に部屋を荒されていた、というケース。また、SNS上の個人情報(性別、年齢や既婚・独身情報)が面接官により調べ上げられ、職の採用・不採用に影響を及ぼす等。これから時代、行き過ぎた情報の透明化がもたらす悪影響にも十分に注意を払う必要があります。

日本には昔から、「陰翳礼讃」や「秘すれば花」といった精神が脈々と流れています。全てが白日の下にさらされた、明白な世界ほど味気なく、つまらないものはないのではないでしょうか。日本で、Facebookが他国程の勢いを見せていない理由は日本文化の根幹と深く関わっている気がしてなりません。

日本における実質Facebook元年となるかもしれない、年の初め、一つ考える宿題ができました。


出展: