October 8, 2010

【個人輸入奮闘記】3.ついに、入庫・通関・目的地到着!!


待ちに待った荷物が日本に到着し、大井埠頭の倉庫に保管されているという旨の連絡が、日本側の荷物受入れ海運業者(Bシッピング(仮名))からきた。
Bシッピングに問い合わせたところ、倉庫から荷物を引き取るには、Bシッピングから送られてきたArrival Notice(荷物到着案内書)とB/L原本(船荷証書)[1] なるものが必要と言われた。初めての個人輸入・通関手続きだった為、B/Lと言われても全く何のことやら。。ウェブで調べたり電話で問い合わせたところ、荷物をきちんと船に載せたという証明でありかつその荷物を引き渡すことを約束する書類で、荷物同様、非常に重要な有価証券であることが判明。
B/Lとは何かがわかったものの、さらに大きな問題が発覚。荷物の引き取りにはB/Lは原本でなくてはいけないというのである、その時私の手元にはB/Lの原本が手元になかったのである!!本来であれば、ドイツ側の海運会社が証書を発行し、ドイツの家具屋を経由して、商品の日本到着以前に、私に送られてきていなければならないB/Lの原本が今無いのである。つまり、荷物は日本に届いたものの、通関手続きが出来ない為、倉庫から出すことができないのである。都合の悪いことに、倉庫では荷物の保管が10日間を過ぎると4600円/日もの超過保管料をとられる始末。。色々考えたあげく他に手段がなかったので、その旨ドイツの家具屋に伝え、すぐさま航空便のエクスプレスメールで原本を送るように依頼しました。原本がようやく到着したのは13日後。(B/Lが事前に送られてこなかったのは家具屋の責任だった為、結局かかった超過保管料6万円近くはあっち持ちということにさせました。)
通関に何が必要か全くの無知だった私と荷物受入れの手配に不備のあった家具屋のおかげで、待ちに待ったその日は遅れたものの、必要書類がそろった為いよいよ荷物通関・受け取りの日が来ました。引受人(私)本人でないと手続きがかなり面倒になるということだったので、その日は仕事をお休みして、大型トラックを引き連れ大井埠頭に向かいました。


以下に当日の諸手続きを時系列で説明します。


1. 日本側の海運業者(Bシッピング)でD/O[2] をもらう
必要なもの:Arrival Notice, B/L(原本), CFS支払代金(コンテナから出して倉庫へ移動する手数料)

芝浦にあるBシッピングに行き、上記書類と支払いと引き換えにD/Oをもらう

2. 東京税関大井出張所にて通関手続き
必要なもの:D/O, Invoice(販売元からの請求書), 関税・消費税等々の支払代金

2-1. 荷物は本当に届いていて倉庫にあるのか存在確認
税関職員の方がやってくれます。

2-2. 関税・消費税等の計算
諸々の税率については、Inoviceに基づいて税関の職員の方が計算してくれます。
家具については関税は無税ですが5%の消費税が発生します。(他の製品の税率については東京税関に問い合わせれば、教えてもらえます。)

2-3. 輸入申告書の作成・提出
税率の計算ができたら、それに基づいて輸入申告書を作成します。(税関の職員の方が、丁寧に作成を手伝ってくれます。)

2-4. 輸入申告書の書類審査と荷物検査
税関が輸入申告書を審査し、記載内容に不備等あれば、質問・確認されます。また、必要に応じて荷物のX線検査を求められることもあります。(これに該当してしまうとかなり厄介!)
私の場合、幸いにも特に不備、検査の要求も無くスムーズに審査が終了しました。運が悪く検査を求められたら、それは大変です。というのも大きな荷物ということになると、大型X線検査の設備が東京税関(お台場)にしかないので、そこまで荷物を運んで検査を受けに行かなくてはならず、その検査自体もかなり時間がかかるということでした。

2-5. 納税
関税・消費税等を納めます。もちろん現金しか受け付けないので、それなりの金額の準備が必要です。

2-6. 輸入許可証の受領
納税まで済んだら、納付領収証書と引き換えに輸入申告書に許可と押印された書類(輸入許可証)がもらえます。

3. 倉庫にて荷物の搬出
必要なもの:輸入許可証,D/O,保管料の支払代金

私のケースのように、保管延長した場合は追加保管料を支払います。支払が済むと倉庫から荷物を出してもらえます。(すぐに出てくるわけでなく、順番待ちがあるので1-2時間は待たされます。)大きい荷物の場合、フォークリフトで運び出されてきて積載することになるので、荷物が余裕を持って載せられるトラックで倉庫に向かう必要があります。

荷物を無事積載して、大井埠頭を出たのが午後3時。荷物を最終目的地まで、運搬、到着したころにはすでに日が暮れていました。抜き打ちX線検査は免れたものの、B/LとD/O引き換えから始めたので、本当に一日仕事でした。目的地に無事荷降ろしを終えるやいなや木箱を開封し、きちんと注文したものが入っているか検品しました。色も数も間違いなく、運送中のダメージもなく全てOKでした!一年以上にわたる個人輸入の苦労がまさに報われた瞬間でした!!


その後、家具屋からは商品代金とは別に、運送費が別途請求されてきたのですが、相手側の責による保管超過量を差し引いた分しか送金しないと言い張り、差額を精算することで、全ての取引は終了しました。


手間と時間と労力(+いいかげんな販売元との取引による心労)を考慮せず金額のみ比較すると、商品代金、送料、輸入消費税、超過保管料を含めた、個人輸入した場合の支払合計は約180万円(平均レート130円/ユーロ)でした。 大手輸入家具、○塚家具を通して配達まで依頼した場合の見積もりは、なんと約その倍の350万円でした。私の場合、全く右も左も分からない素人が、家具屋を見つけるところから、購入から輸入までを自力でやった為、時間も手間もかかったのですが、知識・経験の豊富なプロが規模の経済性(コンテナ丸ごと自社輸入品で輸入、自社倉庫を利用等)をてこに輸入を行えば、さらに輸入原価を抑えることができるでしょう。いい商売です。日本の大手輸入家具屋が、それだけの粗利をとっているというのは、それだけ他の営業コストがかかっている事の裏返しでしょう。都心にあれだけの広大な敷地を持ち、販売員が専属で付いて、家具の展示販売をしているのも、商品にのったその粗利と辻褄が合います。

初めての個人輸入における全てのプロセスは非常に良い勉強になりました。どの程度手間がかかるのか、何を事前に確認しておかなくてはいけないのか、輸入販売店を通した場合との価格差などなど。自分で輸入しようと思う何かが今後出てくるかさだかではありませんが、この貴重な経験を記録に残すことで、これから果敢にも個人輸入に挑戦しようと思っている方の一助になればと思います。


ここだけはおさえよう:
・商品が日本に届く前に、通関に必要な書類(B/L原本、Invoice)をすべて手元にそろえておくこと。
・通関は抜き打ちX線検査がなかったとしても丸一日かかることを覚悟すること。
・商品代金が大きい場合は、時間と労力を割いてまで個人輸入することによる価格面でのメリットは大きくなる。(商品によっては関税率が高いものもあるので、事前に調べる必要があります。)



[1] B/L (Bill of Lading) 船荷証券:

運送人が荷送人との間に於ける運送契約に基づいて、貨物を受け取り、船積みしたことを証明する書類で、荷送人の請求によって運送人が発行する。 B/Lは次のような性格を有している。(1)物品の(海上、複合)受取証、運送契約書 (2)貨物の引き渡しに際し必要となる引換証 (3)貿易代金決済の為、荷為替を取り組む場合に必要となる、“荷”を表象する有価証券。このB/Lは通常、輸出者からEMSで届きます。原本でないとDelivery Order(荷渡し指図書)と引き換えできません。












[2] D/O (Delivery Order) 荷渡し指図書:


船会社が貨物の引き渡しを指示する書類。貨物の引き渡しは、本来、B/Lと引き換えに行われるべきものであるが、実務上、船会社は荷受人からのB/L提出と引き換えにD/Oを発行交付し、荷受人はこれを提示して貨物の引き渡しを行う。











【参考:図解 これ1冊でぜんぶわかる! 貿易実務
私も参考にさせて頂いた、ジェトロ認定貿易アドバイザーの方による本格的な貿易実務書です。
専門用語の平易な解説やトラブル事例など大変参考になりました!