July 24, 2013

Facebook 友達数に見る"友達"付き合いの濃淡

Facebook(以下、FB)において日本人の知人から友達申請を受ける数が増えだしたことを受け、FBとの付き合い方を考えたのが2011年1月のこと。[SNS狂想曲~Facebookの台頭に備えて~]

それから約2年半が経ち、日本でのFB浸透率も十分に高まったことを裏付けるかのごとく友達申請の数もだいぶ落ち着いてきました。(スマホの普及率と何か関係がありそうな気もしますが、、)

自らの友達数だけでなく、私のFB上の友達の友達数も収束してきたように思います。皆それぞれに、FBの使い方を見出し、FBとの付き合い方が板についてきたのでしょう。そんな成長期から安定期を迎えたFBを使ういちユーザーとして(以前からもやもやと)思うことがあります。

FBというコミュニケーションツールの使い方にはいくつかのパターンがあるという事。
その人のキャラがオープンか秘密主義か、パーソナルかビジネスライクか、という事に寄らず、概して、そのパターンは"友達数"で規定されるという事
平たく言うと、友達数が10人のユーザーと1000人のユーザーでは、FBの使い方が全く異なるという事です。
それは本人が意図的にFBをマスへの伝達手段として使おうというケースもあれば、意図せずtwitter的に友達申請を送りまくった結果、FBへの書込みが不意に制限されてしまっているケースもあります

私の友達という狭い世界での感覚的な判断ですが、FBでの友達数とその人にとってのFBの位置付けは大きく以下のように分類されます。


*友達数の区切りの数についてはあくまで目安であり、大体それくらいの友達数を境にというかんじです

① 友達数が10人未満のユーザーはFBを始めて間もない方々が主です。FBの存在を教えてくれた友達を核として、その友達と共通の知人などと繋がっています。親友と共通の友達であり、みな気心知れた旧知の仲という場合がほとんどなので、FBには(親友に語りかけるように)躊躇せずプライバシーを開示、踏み込んだ内容を書き込みます。
「親友だけには見せられる個人日記」といった使い方です。

② 次第にFBにも慣れ、楽しさを見出し、友人が増えてくると10-100人のカテゴリーに入ってきます。ここでは、紹介者の世界を飛び出し、会ったことがあり親密と感じる友達と繋がるようになります。お互いに住んでる場所・仕事・携帯連絡先・年齢を知っているような親密な友達が主な構成員です。
何度か会ったことがあり、お互いの個人情報を知る中なので、ある程度のプライベートは開示しますが、個人日記ではなく、シェアされる事も厭わない見られることを前提とした交換日記」という使い方になっていきます。

③ 友達の数が増えるにつれ、受ける申請数も増えてきます。親密な友人以外で、知り合い程度の友達からの申請でも承諾する(来るもの拒まず的な)ユーザーは友達数100人の壁を突破します。一度だけ名刺交換をしたことがある人、もしくは数十年来連絡を取っていない中学の同級生などがFBの輪に入ることで、FBは、面識はあるけれど、詳しくは何をしているどんな人か分からない友達に対しての情報発信するツールとなります。詳しくは素性がよくわからない相手に対して知られても差支えない内容、という検閲を経た情報を投稿することになります。職場での愚痴や商品・サービスのクレームなどのネガティブな情報を投稿しにくくなることはもちろん、プロフィールの交際関係を非表示にするなど修正・加工が入ります。
詳しく知りあう必要のない人と距離を置いてゆるく繋がり、思いついた時に近況を報告確認しあう、それはまるでDaily年賀状」のような使い方になっていきます。

④ 友達という言葉の本来の意味の範疇を超え、さらに友達数が増えていき500人を超えるユーザーも少なくありません。これらのユーザーの方は、会ったことはないが知っている友達(ネット上の友達)や友達の友達(会ったことのない人)に対して自ら積極的に申請を出しているパターン。もしくは、あっちから申請がやってくる(それを広い心で承認する)ような有名人です。ここまで友達の定義を広げ、友達数を増やすと、心穏やかに発信できる情報は極めて限定的になります。自らのパブリックな側面(初対面の人に自己紹介する時に話をする内容)のみに偏ります。不真面目より真面目、本音より建て前、主観より客観、プライベートよりパブリックなキャラが前面に出ることになります職業人としての仕事にまつわる書込みであったり、イベント主催者としてその告知などが主なコンテンツになります。
「告知掲示板」のようにFBを使う事になります。


FBというコミュニケーションツールはすごく良く出来ていて、
どんなカテゴリーのユーザーをも介在させ、包み込んでくれる仕組みがあります。
そんな、便利でもあり、楽しくもあるFBという汎用性の高いツールをどう使いたいかが重要です。

どこまでの範囲の人と友達となるのか!?
自分が上記のどのポジションでFBと付き合っていくのか!?!?


友達承認をしようかどうか迷った時なども、友達数を判断の拠り所とするのもひとつの手かもしれません。例えば、(神経質な方だと)ニュースフィードにビジネスライクな告知が流れることを好ましく思わない人もいるかもしれません。そんな時は、友達数が極端に多い人からの申請を承諾しないという方針を取ることもできるでしょう。

SNSがもたらした大きな変化のひとつに、友達数の可視化があげられます。ここで重要なのは、友達数はその人の(真の意味での)友達の多寡を表す数値ではなく、その人にとっての友達の定義を表す指標だという事です。限られた数の心の通った仲間と深く付き合うことを良しとする人もいれば、できるだけ多くの人と一定の距離を保って付き合うことを良しとする人もいます。

FBのユーザー層は、そもそもSNSを始めるくらいなので、より多くの人と繋がりたいと考える人の集まりだとは思うのですが、変化に富んだ"友達数"を眺めては、友達付き合いの濃淡を想像せずにはいられないのでした。

July 5, 2013

NISA有効活用法 リスクとるなら、今でしょ!

テレビCMも始まり、にわかに注目を浴びてきたNISA(日本版ISA:小額投資非課税制度)。
これまで実施されてきた投資利益の減税措置の終了と共に、来年から登場することになる非課税制度です。

減税措置が終わってしまうデメリットを補って余るように本制度を有効活用する為にも、来年からどのようNISAを活用すべきか、1)投資金の準備、2)NISAのルールを知る、3)自分における利用法 の順に考えてみたいと思います。


[1:投資金の準備] 減税措置終了前に利益確定する

NISA口座へは、既存の通常口座もしくは特定口座から証券を移管することができない為、
新たに投資の為の現金を用意するか、現在保有の証券を売却してお金を作る必要があります。

注意すべきは、減税措置が期限を迎え、来年から配当・譲渡益にかかる税率が約2倍になる点です。含み損があるものや、僅かの含み益があるものについては、増税の影響は少ないので、そのまま年を越して持ち続けてもよいのですが、大きな利益が出ている商品については、年末までに利益を確定させることで、増税をある程度回避できます。

2013年後半、アベノミクス第二章で相場が高騰したところで利益確定させ、その後の下降局面で買い戻す事ができればベストです。


[2:NISAを知る] ポイントとなるルールを押さえ、最適な利用法を考える

NISA口座で買うための投資金準備が整ったら、次はその口座で買う商品を検討します。
制度のメリットを最大限享受する為に、まずはルールを知り、そのルールにのっとった上で、
自分の資産状況・運用方針と照らし合わせ、NISA枠を資産の一部としてどのように位置付けるか考えます。




制度の要所と運用に対する示唆に関する主なポイントは3つ:

A:売却したらその枠は再度非課税枠として使えない 
→ 最低5年(最長14年*1)は売却せず持ち続ける

*1 現時点において、NISAは2027年(平成39年)までの時限付きの制度です。

B:5年経過して課税口座に移す時に値下がりしていた場合、不合理な課税を受けてしまう可能性がある*2 
→ 出来るだけ安いタイミングで購入(高値掴みは避ける)
→ 5年以上経過時点において含み益が見込める商品を選ぶ

*2 5年経過後、翌年の非課税枠で継続運用するか、通常の課税口座に移管するか選択することになります。
移管の際、(実際の取得価格ではなく)その時点での時価が取得価格になります。
その時点で値下がりしていた場合、安く購入したものとみなされ、本来少ないはずの利益が過大評価され、過課税を招く可能性があります。

C:配当、譲渡益に対して一定期間非課税
→ 早期からNISA枠をフルに使う。その為にも買いたい時に買えるように、年始時点で買付資金を確保する(一人の場合100万円、夫婦の場合200万円)
ただしNISAスタート時点で高値圏にある商品については、Bのルールを優先し、値下がりを待ってから購入する
→ 配当利回りが高いものや、投資元本に大きな値上がりが期待できるものの方がより大きな非課税効果が期待できる*3
つまり、債権より株、先進国株式より新興国株式。NISA枠に、高リターンを狙ったよりリスクの高い商品を割り当てる*4

*3 ハイリターンである=ハイリスクでもあり、逆に大きな値下がりも予想される点に留意する。高リターン商品を狙うという事は、
ルールBの「安値をきちんと捉える」事とセットで行う必要があります
*4 NISA枠での運用があくまで総資産の一部にすぎない場合において、高リスク高リターンのアセットクラスをNISA枠に割り当てるべきという意図であり、
NISA口座だけで全資産の運用を行う場合は、その人のリスク許容度に応じたポートフォリオ・ミックスを考える必要があります。


3つのポイントをまとめると『多少上げ下げが激しくても、長期で上がると信じられる商品を安い時期に仕込む』ことでNISAのメリットを最大限享受することができるというわけです。


[3:自分におけるNISAの位置付け] 将来のポートフォリオを見据え、全体最適の視点でNISA枠で買う商品を決める

NISA枠を(フルに)使った場合の将来の資産全体のポートフォリオをイメージすることが大切です。
NISA導入をきっかけにこれから投資で資産形成を始めようという人はNISA口座だけに着目しその中で資産配分をコントロールすればよいのですが、
既にある程度の資産を持っている場合には、それら既存の資産も含めた上で、ポートフォリオの一部として非課税枠の使い方を考えなくてはなりません。

例えば、資産が既に3000万円ある世帯(夫婦)の場合、二人の5年分に当たる計1000万円の新たな非課税枠に何のアセットクラスを割り当てるのかをよーく考える必要があります。
このように既に十分な額の資産がある場合は、先の考えに基づき、非課税枠においては高リスク・高リターンの商品(例えば新興国株式クラス)を割り当て、課税枠では比較的低リターンの先進国株式や内外債権をメインとする、といった資産配分が考えられます。


アベノミクスの好影響のせいもあり、市場資金がリスク資産に動いていく中で、好機をより大きなものにする為にも、非課税制度を利用し積極的にリスクを取っていくことも一考の余地があるのではないでしょうか。


注)あくまで、投資は自己判断でお願い致します。

【参考:日本証券業協会 剛力彩芽のNISAラクラクWEB