October 27, 2017

「Money Forward お金のEXPO 2017」に行ってきました(其の三)

第三回目となる最後のレポートはマネックス証券 会長 松本さんの経済、投資のお話。いろんな点で物理学との共通項がある気がしました。


<これからの資産運用~新しい時代で起きていること~ マネックス証券 会長 松本大>

資本主義の本質は"分業"。投資は分業を可能にするプロセス。分業しないと経済は大きくならない

マーケットは二つの側面を持っている。個人と集合体。マーケットの構成員は行き着くところ、個人。と同時に、マーケットは無数の個人の集合体でもある (=光の粒子と波動の二重性)

地球上のマネーの量は一定とすると、総量を保ちアメーバのように地球上を移動する (=マネー保存則)

マネーは行って帰るが、帰ってきやすい場所に好んで流れる

投資における銘柄選択の考え方=自分に子供が10人いるとする。それぞれの子供の就職先を考える事

ある調査によれば、過去の新卒就職人気企業の株を毎年買ったとすると、そのパフォーマンスはTOPIXを大きく下回る。つまり、自分ひとりで熱くなり、結果高値掴みをしてしまうから

情報には川下情報(一般的な情報)と川上情報(特殊な情報)がある。近年情報格差はなくなってきているものの、その情報が川上かどうか判断できる洞察力が必要。新聞などを斜め読んでおくのは「みんなが知っていることが何かを知っておく」為

なぜ、マーケットは自分の思いと逆に動くのか?自分が想像する以上に、集合体としてのマーケットは早く、多く、深い情報をもっていて、すでに織込んでいる。謙虚さが必要!

行動心理学的にも、人は経済合理的に動けない生き物である事をよーく理解する。例えば「遅すぎる損切り」「早すぎる利食い」にならないよう、意識的に

アメリカという国は「株価が上がることが国として良い」というコンセンサスが国民にある。日本よりパフォーマンスが良い大きな要因

将来を見通す為にも、現象をそのまま受け止め自分なりに分析する。トランプが選ばれた表面事象に捉われず、何でトランプになったか、その原理、背景を考える (=物理学そのもの)


古典経済学が描くかたちで経済が発展し、人々・世間にそれが行き渡るにつれて、その枠組みで捉えられないような現象があることに気付くようになる。そうして古典経済学の枠組みを一回り超えた新たな領域として例えば行動経済学のような新たな経済学が生まれる。
ボーダーレス化とか技術進化が進むにつれて、人間の習性を補完する何かが産まれたり、IoTの発展により人を介さないM2M(機械と機械)で経済が動くようになったり、そうするとまた行動経済学も新たな(ノーベル賞級の)学域に包込まれていくんだろうな。

それってまさに、古典物理学を基礎に、それを超える形で量子力学がうまれ、さらに相対性理論に発展した、物理学の歴史と全く同じなんだなぁ、と思いました。

October 25, 2017

「Money Forward お金のEXPO 2017」に行ってきました(其の二)

前回に続き、お金のEXPOレポです。大前研一さんによる幸せになるお金との付き合い方のお話です。


<幸せに生きる人のお金のルール 大前研一>

多くの日本人は、人生最後に残したい言葉を言えない。

また、いざという時の為にお金を取っておくが、その「いざ」っていつ!?も言えない。

日本人は平均3500万円を持って、あの世に行く。

一方、イタリア人は使い切る。

最近、財産を子孫に残そうとは思わなくなってきているが、「使い道は未定」。

使途不明金に気付くと、何が起きるか。

⇒やけっぱち消費。“ななつ星”に130万円出しちゃう。

ドイツ人やアメリカ人は人生のやりたい事とファイナンシャルプランを合致させる。

日本人は難しい数学こそ計算できるが、生きる上で大切な算数ができないのは日本の受験教育の弊害。

ドイツ人は1ヶ月、ゆったりたっぷりバケーションを取る。

日本の有給消化率は世界最低。

坂の上の雲のあの時代の気概は無い。

日本は世界でも稀にみる、超低欲望社会。


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ボーダレス経済の時代において、世界のお金の流れを理解しよう。

お金は、余っていて不自由な国から、あんまり無いが自由な国に流れる。

トランプ大統領の影響でビザが制限された結果、バンクーバーに大量の移民(&不動産投資)が流入。

19,20世紀の古い経済学は発展過程の新興国には当てはまるが、もはや成熟社会日本には当てはまらない。

例えば、金利を上げると逆に世界中からお金が集まる。

日本には入ってこない。


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40歳からは自分で泳ごう!

その為に、2割仕事の手を抜く。

電通ショックもあり、幸い2割くらいなら日本では肩叩きには合わない。

月に15万円はキャッシュを生み出せるよう、起業、副業、投資の種をまく。

40歳から60歳まで、20年もあれば最低4回は挑戦できる。

早くからリスクをとってチャレンジ!稼ぐ!ちゃんと使って死ぬ!



貯金が多い国=幸福度が高くない国、という関係になんとなく気付いたのは、4年前にパラオを旅した時でした。

身も心もリフレッシュ パラオの旅

自然に恵まれ、平和な国に暮らす彼・彼女達は給料日に貰ったお金をきれいさっぱり使い切ります。

日本人の悪い癖「溜め込む」というのは不安の気持ちの表れで、自分も早く脱却しなきゃと思いました。

40歳を迎えるにあたって、チャレンジの種をどこに蒔くか、よーく考えないといけないな。

October 23, 2017

「Money Forward お金のEXPO 2017」に行ってきました(其の一)

台風による大雨、総選挙とイベントが重なったにもかかわらず、日曜日の朝9時半、グランドプリンスホテル新高輪の会場は多くの参加者で埋め尽くされていました。

参加費(1500円)とっているにもかかわらずの満員御礼!マネーフォワードの勢いかなぁ。会場は熱気に包まれていました。

途中までしか参加できなかったけど、投資を始めた頃の初心を振返らせてくれる良いお話が沢山聞けたので、3回に渡ってメモします:


<投資のプロが教える資産づくりのはじめ方 レオス・キャピタルワークス 藤野英人氏>

1万円札は原価20円程のただの紙切れ。

株式はただの紙切れではない。

株式は会社の一部を所有すること。オフィス、工場、製品、ブランド、そこで働く従業員というリアルなモノ。

一万円札こそ、ビットコインこそ、ヴァーチャル。

株式はリアル。

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日本とおカネ①

日本、特に地方においてタンス預金は増え続けている(約43兆円)。

その内、2兆円があれば東芝メモリを国民がオーナーとして支えることが出来た。

日本とおカネ②

日本人の年間寄付額は米国の1/50。

日本とおカネ③

18-29歳の3割は「できれば働きたくない」と思ってる。

社員の会社への愛着度、世界28か国中日本は最下位。

コンビニのレジでお金を投げるように渡す。居酒屋で店員に罵声を浴びせて怒る。タクシーで横柄な態度をとる。

日本で働くことが楽しくないのは「ブラック消費者」のせいでは?

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コストゼロ。誰にでもできる最強投資 「ありがとう」と言おう!

投資=(未来からのお返しを頂く)/(エネルギーを投入)。

「投資が嫌い」は成り立たない ⇒世の中の全ては投資で成り立っている。

あなたも自分の人生をかけて社会に投資をしているファンドマネージャーです。

ウォーレン・バフェット曰く「自己投資が最強の投資」。課税されない。

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かつて、日本では女の子が生まれると桐(きり)の木を植えました。

長い時と愛情をこめて育てた桐の木が成長したら、それを桐たんすにして、花嫁道具として持たせました。

投資とは桐の木を植えていくことに他ならない。

[ ご本人が語る「桐たんす物語」詳しくは: 投資は知的で格好いい社会貢献(藤野英人)NIKKEI STYLE]


自分自身とても感銘を受けた、4年前に出版された藤野さんの著書ですが、そのままの熱いメッセージを間近で聞くことができました。あらためていち個人投資家として、襟を正さなくてはと思いました。


投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書) 藤野英人