February 22, 2012

適職探しは「坂の上の坂」(1)

就活生にとっては、エントリー、説明会の真っただ中である。
そんな時期という事もあり、
最近、就活中の知人から助言を求められる機会がありました。

新倫理憲章による短期決戦だとか、
買い手市場の厳しい就職情勢とか、
親との二人三脚活動など、
いろんな情報が飛び交う中、
真に就活生本人の為になる就職活動とは?
と考えをめぐらせたのですが、
考えれば考える程、深みにはまる問題であり、
答えはそう簡単ではありません。

そもそも、自分ひとりの短い社会人経験からの助言とは、
経験不足、意見の偏重もあり甚だおこがましい。
と思い、
MBAで共に学んだ仲間にとりあえず
新卒にお薦めの企業は?と聞いてみることにしました。


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【登場人物】
・大学講師のAさん
・農業ビジネスを経て現在企業の準備中のBさん
・大手メーカーで経営企画所属のCさん
・私こと管理人
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Date: Mon, 6 Feb 2012 22:53
Subject: 情報求む:新卒にお薦めの企業
From: 管理人

Dear 皆さん、

ちょっと皆さんのお知恵を拝借したいのですが、
「今の新卒くん/さんにお薦めする企業」を
思いつく範囲でよいので教えてください。

この企業は新卒で勤めたら面白いんじゃないかっていう会社があったら教えてください。

ご協力お願いします。

管理人より


Date: Mon, 7 Feb 2012 12:47
Subject: Re:情報求む:新卒にお薦めの企業
From: A

管理人さん
Cc皆様

こんにちは。
本邦・非技術系採用に限って返答します。

(中略)

新卒-中小企業の、もともとの相性はあまりよくありません。
中小はどうしても従業員ひとりあたり期待度が高く(育てて辞められるのが怖い)、
学生側も多くが安定経営を第一義に考えます。

中小で働く面白さは、マルチタスクを背負う点であり、
社員間コンピテンシー(行動・能力特性)のばらつきです
(できる人に仕事と権限が集まる)。

さらに、土着性であり、
昨今では”東京パッシング”
(8番らーめんのように東京に出店せず
東南アジアや中国に大量出店する)
の戦略的妙味があります。

中小は相性。
ですので、穴場の中堅中小企業はやはり
応募者が自分で探し当てるしかありませんね。

それにしても、日本経団連の調査をみると、
いかに本邦大企業が依然として
新卒ラヴァーズであるかわかります。

参照:新卒採用(2011年3月卒業者)に関するアンケート調査結果の概要 経団連 2011年9月28日

既卒であってもまだまだ雇用は
実力至上主義でなく風土主義、情緒主義。
それが証拠に トヨタ⇔日産、日立⇔東芝、キリン⇔アサヒなどの
転職は何十年経っても一向に活性化しません。

これらの傾向は当分続きそうです。

(中略)

本音を言いますと、
日頃学生のキャリア相談にのるときは
目の前の相談者の個性を把握してからでないと
特定企業の薦めをしていませんので、
今回の管理人さんによる質問は難易度が高いです。

例えば、
「日本の40歳代前半のおじさんおばさんにお勧めの転職先企業は?」
と同じくらい回答が難しいです。

もし特定の新卒予定者にアドバイスをなさる予定でしたら、
ウェブサーチ”研究”はほどほどにして、
活動初期に体当たり訪問や面談を行って、
皮膚感覚で自分との相性を探り、
自分だけのこだわりを発見させることをおすすめします。

以上です。  Aより


Date: Mon, 7 Feb 2012 22:57
Subject: Re:情報求む:新卒にお薦めの企業
From: 管理人

Aさん、

迅速かつ的確な回答ありがとうございました。

(中略)

現場でまさに、生徒さんの就職相談に乗っている
立場からの意見、非常に参考になりました。

「中小企業は新卒との相性は良くない」とは
もっともだと思います。

Aさんが挙げたように、
中小は、組織だってないので社員の責任範疇が大きい事や
土着的である点に加え、
学生視点からも、

*経営が不安定、
*研修制度等の不備、
*給与水準の低さ、
*次の転職を考えたときのつぶしの効かなさ
(個人的には新卒に対しては、この要素が重要と思っています)

などの理由から、
私も自信を持ってお薦めできるかどうか、
不安が残ります。

ただ、Aさんのメールの最後にもあった通り、
新卒くん/さんに、多少なりとも社会を知る先輩として
どんな協力が出来るのかを考えると:

1.メディアのランキング、大手企業のプッシュ型の採用情報や“就活ぐみ”との間の情報は
地球に数多ある会社、仕事、職種、働き方のほんの一部に過ぎない事に気付かせてあげる


2.ウェブサーチなど2次情報でなく、
職場見学の機会設定や知り合いの紹介等を通じて
できるだけ1次情報に触れられる手助けをしてあげる


ではないかと思っています。

(実際、本当に働いてみないと内情は分からない、
ってのが現実だと思いますが、
他(外)を見る視点を持たないと、
新卒で勤めていざ現実となった“内情”が
自分にとって最適解だったのかということすら
疑問に思わなくなってしまう
「惰性の人生」になってしまうという恐れもありますよね)

管理人


Date: Mon, 9 Feb 2012 6:10
Subject: Re:情報求む:新卒にお薦めの企業
From: A

後進への助言機会があるのでしたら
まさしく一次情報をつかみにいきたくなるような動機付けを
お願いしたいですね。

(中略)

希望を与えると同時に、就業希望者には早期の危機感も有用です。

危機感と言えば、
口頭で脅す、煽るだけの大人を見かけますが
私は反対です。

それでは学生世代は更に萎縮するか、
あるいはせいぜい聞き流すだけで、
すでにラーニングカーブがかかりきっていて
効果は期待薄でしょう。

それよりはうまいこと適所へ誘い出して、
たとえば海外MBAのような怒涛の国際環境現場へ連れていくことで、
自分で衝撃を受けてもらったほうが
効果が持続する
でしょう。

とにかく未就業者を企業規模を問わず
働く現場に誘い出して頂きたい
ですね。

(中略)

どうぞ地球規模の仕事探しも伝授普及させてください!
こちらも大助かりです。

私は就職指導者ではありませんが、
授業演習姿勢を通して企業人から一目惚れされるような
人材は出して行きたいです。

新卒採用シーンは一見魚群のようでいて
個々の学生にはそれぞれの鼓動がありますから
ご縁のある学生には是非とも
いい音色の鼓動を響かせてほしいものです。

A より

議論は、続く…