August 14, 2018

Western Australia: beautiful & peaceful state

Perth, Busselton, Bunbury (Day 4 to 8)

メルボルン前半の3泊を終え、次の目的地パースに到着です。
パースはオーストラリア大陸西側の海岸沿いの都市で、シドニー、メルボルンほど有名じゃないかもしれないけれど、人口も都市圏を含めると約200万人、オーストラリア第4の規模を誇る街です。

前々から使ってみたいと思っていたUberを、今回初めて利用してみました。
Car park area for UBER
空港の電光掲示板とかあちこちでUberの広告を見かけました。
なんと空港のタクシー乗り場の隅の方に、Uber専用の一時停車エリアも完備されています。
完全に、空港と街を繋ぐ交通手段の一つとして、電車、バス、タクシーと同じように選択肢の一つとして共存しています!(日本じゃありえない。。)

実際にUberを使ってみると便利な上に安く、なんでこのサービスがこんなにも急拡大したのかが良く分りました。
ネットさえ繋がれば、携帯のアプリひとつですぐに近くを走っている車を呼ぶことができます。支払いも事前に登録したクレジットカードで自動決済。降車時にドライバーと支払い手続きをする必要がありません。ここオーストラリアでは、乗車料金も、通常のタクシー利用と比べて1-2割程度安く、いやらしいくらい絶妙な価格設定です。
ドライバーの方もみんな気さくな方で、移動中、市民目線でいろいろな話をしてくれました。
というのも、Uberは利用した後にその乗車体験に対して評価を付けます。
総合満足度について星の数をぽちっとするのに加えて、乗車中の会話とか道の詳しさとか
何が評価に値したのかもぽちっとするようになっています。

初めて乗せてもらったその運転手は、中国からオーストラリアに移住してきた人でした。
「(利用者にとっては)タクシーより安くすむかもしれないけど、今回払ってもらう67ドルのうち、Uberは27ドルもマージンを取るんだよ」とぼやいていました。
実に40%近い中間マージン!やり過ぎじゃないかと思いたくなるレベルです。
また、そのドライバー曰く「自分は他にも本業を抱えていて、朝と晩、人の移動が多い時間帯にUberで更に稼いでいる」と。
最も多い日で、(Uber中間マージンを除いた)平均30ドルの乗車を1日20回こなすらしいです。その稼ぎは1日約5万円にもなります!
「自分は、普通のオーストラリア人じゃなく中国生まれだから、朝から晩まで働くのもぜんぜん嫌じゃないよ。」
「(オーストラリアは)住み心地もいいけど、稼ぎがぜんぜん違うからこっちに移住したんだ。」
それってもはや副業の域を超えているレベルです。Uberは遊休資産を活用して小遣いを稼ぐといった程度のものじゃなく、働き方に対して新たな選択肢をもたらした画期的なコトなのかもしれません。

既存産業との軋轢とかきっとあるはずだけど、オーストラリアにおけるUberの社会への浸透度合いを目の当たりにすると、保護主義と自由主義の考え方の間に存在する大きな違いを感じずにはいられませんでした。

The Perth Mint (symbol of mining city)
A day starts early morning
ちなみに今回西オーストラリアを訪れたのは、友達に会いに行く為でした。
去年初めて日本を訪れ、ホストファミリーとして迎えさせて貰った友人に会うためです。
その友人の住む隣町バンバリー市は東京の世田谷区と姉妹都市の関係にあります。市が毎年行う交換プログラムの関係で、去年我が家にホームステイをしてくれたのです。
今回は逆に私達がゲストとして彼女の家にお世話になりました。
彼女は二人の男の子を育てるお母さんです。自分と歳だけでなく、家族構成も同じということもあってか、一緒に過ごしているととても共感できることが多く、日本では気付かないような色々なことを学ばせてもらいました。

Home stayed!
彼女が住んでいるのはバッセルトンという、パースからバスで3時間程南に下った小さな町です。
家の裏手には大きな農場が広がり、野生のカンガルーがのんびりと昼寝をしているような、のどかな田舎町です。

彼女は先生をしていますが、日本にはない独特な働き方をしています。「ホーム・ティーチャー」といって、自らの子供に"自分で"教えるのです!想像したくもないような大事業!!
オーストラリアでは6-16歳までが義務教育だけど、学校に通うという"義務"ではなく、教育を受ける"義務"であり、学校に通わせず家で自ら子どもを教育するという道を選ぶこともできます。

さすが(しかも小学校から高校までの全てを教えちゃうような多彩な)先生だけあって、政治、医療福祉、食、音楽など色々な事を本当によく知っていて、僕達のたくさんの質問にも呆れることなく分かりやすく、丁寧にいろんなことを説明してくれました。
Classroom at home
彼女の12歳になる長男は、一度は公立の学校に通ったのですが、学校教育、集団生活が合わなかったのか、家で学びたいと「ホーム・スクール」を選びました。
彼女自身も、「学校のカリキュラムは効率性、均一性に偏っているところがあって、政治都合の仕組みになっている」と言います。
「子供ひとりひとりの個性と向き合って、その子にあった指導を施せるし、その子が不向きで好きでない事を無理に強いるようなこともない。」と。

また、「全ての子供は生まれながらにして自ら進んで知を広げ、考える力を持っています。先生の役目は全てを施し覚えさせるのではなく、子供の潜在能力を引き出し、自分で世界を探究できるように最初の一歩の手助けをしてあげるだけです。」と言います。
彼女の子供達を見ているとすれた感じがなく、とても素直でのびのびとしていました。
Football game
Wild Kangaroos
Fremantle
Beach in Busselton
Busselton Jetty, inspired Japanese anime "Spirited Away" 
街を離れる長距離バスのバス停に向かう道中、親日家でもある彼女は日本について、こう語ってくれました。
「日本人は繊細で丁寧。精緻さを求める心がその遺伝子に組み込まれているんだよ、きっと。」
「例えば、(お土産でもらった)箱根の寄木細工もしかり、完璧な美を追求する精神が、日本のそこかしこに表れている。」
「そこには、効率性とか生産性とかいう考えはなく、ひたむきに目の前(自分)と向き合い、質を高めたいと思う気持ちがそこにはあるだけ。」

古風な日本の考えとか、ステレオタイプな外国人の日本観とか言いすてることは簡単かもしれません。
だけど、今回の西オーストラリアへのホームステイを通じて、フラット化、少子高齢化、異常気象・温暖化とか、なかなか打開策が見いだせず行き詰まり感が出てきた今、状況を変える一つのヒントになり得る大切な何かを、彼女から指導してもらえた気がしました。


大陸南部で海岸沿いにインド洋の寒流が流れる為、冬らしく、とても寒かった西オーストラリアを離れ、大陸を左から右まで飛んで、次の目的地ブリスベンに向かいます。

続く...

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