歴史に疎く全く知らなかったのですが、富山県高岡市は古くから銅器など鋳造技術による金属加工業が盛んな町です。
約400年前、前田利長公が城下町として発展させるために、7人の鋳物師を町に招いて以来、商工業の都市として発展してきた長い歴史があります。
町のあちこちある工場の煙突からはモクモクと煙が出ていて、今でもそのモノづくりの歴史が脈々と流れていることが伺えます。
そんな高岡市に1泊2日で行ってきました。混じりっけのない錫(すず)100%の鋳物を得意とする「
能作」さんを訪れるのが今回の旅の目的です。
電車と車で移動すること7時間。ようやく到着しました!
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新社屋エントランス |
2017年4月本社移転に伴い立てた新社屋は、鋳物工場とは思えないモダンなデザインで見てるだけで心躍ります。
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色とりどりの型 |
中に入ると突如目に飛び込むのが、壁面全体を覆う色とりどりのオブジェ⁉と思いきや、実際に今でも使われている鋳型の倉庫でした。普通製造の現場において型は企業秘密として扱われ写真撮影などは禁止するところが多い中、能作さんはディスプレイとして見せてくれるという、太っ腹。見せる工場の意気込みを感じます。
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錫、真鍮、青銅がメイン |
能作さんの歴史は古く、今年で102年目を迎えるそうです。青銅鋳物による仏具の製造から始まり、近年はデザイン性の高いテーブルウェアやインテリア雑貨なども製造、販売しています。
早速、工場見学に参加させて貰い、現場を見せて頂きました。
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鋳造棟 |
煤にまみれた暗い作業場のイメージはなく、高い天井を囲うように屋内全体を照らすライティングや、異なる材料のエリアを明示する漢字一文字のサインなどとてもお洒落です。
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錫鋳造工程 |
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真鍮削り中 |
現在能作さんには50名程の職人さんがいるということですが、若い職人さんも沢山いらっしゃいました。
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底を溶接 |
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伝統的なものづくり |
昔ながらの旋盤も能作の歴史と共に工場の真ん中に鎮座
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いろんな形の真鍮製器 |
高岡の金属製造業は分業制になっていて、ここ能作さんは鋳造、研磨までを行い、その後の塗装など表面加工は別の会社が担う仕組みだそう。
ラインという効率性を追求する感じはなく、職人が一点一点手でモノを仕上げていく様子が印象的でした。
能作さんの商品は決して安い価格ではありません。これからの日本のものづくりの一つの在り方を見せてくれている気がしました。
工場見学を終え一日目は終了。
翌日は、今回のメインである鋳物製作を体験させて貰いました。
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開放的で明るい体験コーナー |
ファクトリー・ショップすぐ隣にある、太陽の光が明るく差し込む工作室のようなスペースで約1時間半ほど、錫のぐい呑みを作りました。
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押すと固まって、叩くと崩れる不思議な砂 |
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砂遊びのよう |
金型を置き、錫を流込む穴を確保する為パイプを立て砂を盛り、押し固めヘラで削り取って、逆さにしたら下の型完成です。
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崩して出てくる瞬間が楽しみ |
更にその上から枠を重ね砂を盛り押し固め、枠を開き金型を外します。再び枠を閉じ、穴から溶かした錫を流し込みます。凝固収縮が止まったところで、木枠をドンドンと打ち付けると砂が崩れて、固まった錫の姿が見えてきます。
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バリ取り |
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ぐい吞み 完成! |
不要な部分を切断し、型の合わせ目のバリを取れば原形の出来上がり。後は好みで磨いたり、刻印をしたりして完成です。
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カフェ IMONO KITCHEN |
すぐ隣に、カフェも併設されています。美味しそうなベーグル食べ放題セットもありました。
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せんべい汁セット |
器はもちろん能作の錫製食器に盛り付けられています。錫は柔らかく手の力で簡単に曲げることができてしまうので、器ごとに微妙に形が異なり風合いがあります。また、熱伝導率が高く冷たい水などを入れると器自体もすぐに冷えて、冷たい触感が楽しめます。
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フラワーベース いちじく |
今回、錫を求めて家族で富山県高岡市まで足を運んだのは、結婚十周年「錫婚式」の記念のためでした。錫のような落ち着いた輝き、柔らかさを兼ね備えた夫婦関係を続けられればと思います。
1泊2日の弾丸ツアーでしたが、ちゃんと富山のラーメンも堪能してきました♪
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富山ブラック! |
株式会社 能作
〒939-1119 富山県高岡市オフィスパーク8-1
Tel 0766-63-5080(代表)
Tel 0766-63-0001(見学・体験等問合せ)
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